日本のサウナブームがどんどん熱を帯びている。今年7月にはサウナ室に熱波を起こす「アウフグース」の世界大会アジア予選が、はじめて日本で開催された。予選には日本各地から「熱波師(アウフグースマスター)」が集まった。その魅力はどこにあるのか。ライターの橋本達也さんが取材した――。
サウナ室で「アウフグース」をする熱波師・箸休めサトシ氏。
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サウナ室で「アウフグース」をする熱波師・箸休めサトシ氏。

舞うようにタオルをさばくことで観客を楽しませる

サウナと言っても、温浴施設によって様々なタイプがある。愛好家から人気を集める一つが「アウフグース」だ。

アウフグースとは、ドイツ語で「注入」を意味する単語。サウナ室にあるサウナストーブの石に水をかけ、サウナ室に充満した水蒸気をタオルなどで攪拌かくはんさせ熱波を楽しむドイツ発祥の入浴法だ。似た言葉で「ロウリュ」というものがある。日本ではこちらが一般的だが、ロウリュはフィンランドで発祥したサウナストーンに水をかける行為を指す。