日本人は「日帝支配の恩讐に報いるべき」

これまでの説明で、旧統一教会信徒が信奉する教えと究極の救済方法である祝福をある程度理解していただけたかと思う。

いわゆるオーソドックスなキリスト教諸派と比べれば、旧統一教会の独自性は明らかである。現代人には、教祖の選んだ人であればどんな人とでも……というような結婚は受け入れがたいものだろう。

しかし、これまでに7000人あまりの日本人女性信徒が信仰のゆえに韓国人男性と祝福を受け、多くの人々が韓国の郡部で暮らしている。そこでは日本の農村部同様、深刻な男女のミスマッチ(いわゆる嫁不足)があり、中国朝鮮族の女性と結婚する農村男性も少なくない。

韓国人男性の中には信仰が全くなくても、旧統一教会主催の合同結婚式に参加して日本人女性を伴侶としているものもいる。

信徒同士の宗教的結婚というのは1990年代半ばまでの話であり、その後、教会は韓国人の信者獲得のために日本人女性を送り込んできたと言えなくもない。

もちろん、教会が言うには、韓国人男性は霊的に高いから日本人女性信徒にとっては結婚できるだけでも幸いであり、韓国が日帝による36年間の支配から受けた恩讐おんしゅうに報いるには、日本人女性の献身がよりいっそう求められるし、何より彼女達は喜んで韓国に来たのであるという。

文鮮明によれば、地上天国の統一言語は韓国語であり、韓国式文化こそ日本人が救いに与るために学ぶべきものなのだ。

このセリフは昔も聞いた。朝鮮半島に渡った日本人妻といえば、北朝鮮への帰還事業で何千人もの日本人女性が在日朝鮮人の人達と一緒に地上の楽園に行ったことだろう。彼女達の帰国を阻むのは国境であるが、旧統一教会は信仰により国際結婚した女性達を韓国に留めている。