「ファーウェイ製ルータ」が非難の的に

2020年、台湾行政院はデータ窃盗を防ぐために、台湾のすべての機関のすべての情報通信製品に、中国製品を使用しないよう要求する文書を発行している。

中国製のソフトウエアにはバックドアプログラムやトロイの木馬プログラムが含まれ、サイバー攻撃に利用される可能性がある。

しかし、華為技術(ファーウェイ)製ルータをいまだに使用していた台湾鉄道は、その警告を深刻に受け止めておらず、今回の侵入につながったと非難されている。

立法院の運輸委員会のメンバーであり、民主進歩党の議員であるリン・ジュンシャン氏は、近年、台湾鉄道で多くのセキュリティーインシデントが発生していると指摘。その上で、「戦争中にこれらのデバイスを使用して虚偽の情報を放送し、人々の心をかき乱した場合、その結果がどれほど深刻になるか想像してみてください」と述べ、今回のサイバー攻撃は「ストレステスト」だったとし、教訓を生かして改善してほしいとしている。

やっぱり必要だった「ファーウェイ製品排除」

中国製ソフトウエアやIT製品に、深刻な危機感を持っていなかったのは、台湾鉄道だけでなく、日本も同じだろう。

2019年4月に出された、政府の情報通信機器の調達に関する運用指針においても、中国を名指しせず「特定の企業、機器を排除することを目的としたものではない」と弱腰の姿勢である。政府がこの調子だから、民間企業に危機感を持てと言うのも、無理があるだろう。国防権限法に基づいてファーウェイなどを名指しで排除した米国とは大違いである。