旅行者にも現地にも不評
6月上旬からフォーマットも簡素化して、必要項目は、氏名、生年月日、交付年月日、検体採取日時、医療機関名など8項目に減った。
必要項目が減れば、間違いも少なくなるとは思うが、この証明書は、個人旅行者が滞在国で正確に書かれたものを入手するのは苦労が伴う。
団体旅行では、旅行会社が陰性証明取得を手配するサービスがあるが、現地の医療機関にも、手配のために動く人たちにも負担になっている。
現地の医療機関発行のもので十分なのに、日本政府が独自のフォーマットにこだわるので、無駄な労力が行使されるのだ。
ここまで日本人の帰国者、旅行者に苦労を強いるのはいかがなものか。
コロナ前の水準に戻ったギリシャとの違い
ギリシャの観光オンシーズンは初夏から本格化する。以前、「外国人観光客を取り戻すためにギリシャ首相がやったこと」に書いたように、昨夏、ギリシャはEUのなかでもいち早くEUデジタルCOVID証明システムを開始し、観光業はかなりの復活を見せた。
今年5月1日からは、入国の際の証明システムの提示義務を解除し、インバウンドは爆発的に伸びている。
6月上旬、ギリシャのホテル経営者連盟の会長は、今年のギリシャの観光収入が150億ユーロに達する勢いであると述べた。これはコロナ前の過去最高の外国人観光客数だった2019年の売り上げの8割に当たる。
6月のアテネ国際空港のインバウンドも、コロナ禍やウクライナ戦争の影響を受けつつも、2019年の同月の94%に迫った。
パンデミックの厳しい2年間、徹底したデジタル化戦略とアフターコロナを見据えた対策が功を奏し、2019年のインバウンドを更新する可能性が高い。