航空会社職員ともめる旅客の姿

フライト当日、アテネの空港では、コロナ対策で提示するのはEUデジタルCOVID証明書のみで、フランクフルト行きの飛行機に搭乗。フランクフルト空港の羽田行のANAのゲートに着いた際は安堵した。

しかし日本の複雑な規制のためにゲート周辺でANA職員が、「陰性証明のチェックをしているので○番窓口に」と書かれたプラカードを持って歩き回っていた。

筆者が緑から青に変わったMySOS画面を開いて見せると、係員は「青ですね」とにっこり、すぐさま搭乗口に案内してくれた。

窓口で陰性証明に不備や間違いが発見された人たちが、職員と押し問答している姿も見られた。

“関所”で待ち構える大勢のスタッフ

日本行きのフライトに無事、搭乗。ロシア上空を飛べないので、少し以前より長いフライトではあったが、ほぼ同じ12時間程度で羽田空港の第3ターミナルに到着した。

ターミナルは全てのトイレが封鎖されていて、普通に直進できれば短い距離を、ロープでジグザグに仕切られた通路で、これでもかというほど歩かされた。歩数にして約6000歩、45分は無駄に歩いた。

その理由は、到着者に対し、その何倍もの人数のスタッフが待機する数カ所の“関所”を通過する必要があったからだ。そこでは①~③の書類をそれぞれの係員が確認していた。

筆者は、滞在国がギリシャであることから、国が定める水際対策の青区分を意味する青い紙を渡された。

左手に手渡された青紙、右手にMySOSアプリの青色画面、それらを水戸黄門の印籠のごとく見せると“関所”の人々が「ははー」とばかりに退いていくので、QRコードを読み取り機にかざす数秒以外、ほぼ歩みを止めることはなかった。

苦労して行った準備が功を奏し、1時間ほどで入国審査を終えることができたので、3月に比べて改善はされているのだろう。“関所”の係員は皆、笑顔で感じの良い対応ではあったが、なんだか北朝鮮にでも入国しているかのような異様な雰囲気だった。