器の小さい上司についたらどうするか。漫画「島耕作」シリーズなどで知られる漫画家・弘兼憲史さんは「そんなときは、自分で自分の上司を決めてしまいましょう。たしかに、組織が定めた上司は自分で決めることができません。ぼくが言うのは、心情的な上司。自分自身が、上司と仰ぐ上司です」という──。(第2回/全3回)

※本稿は、弘兼憲史『捨てる練習』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

サラリーマンのジレンマ

上司は部下を選べるが、部下は上司を選べない。

サラリーマンの出世は、上司で決まるといわれます。それなのに、部下は上司を選ぶことができません。サラリーマンの持つ宿命、あるいはジレンマとしてよく語られることです。

それでもぼくは、「上司は選べないのだから、異動を待つしかない」と運を天に任せるような態度は、あまりに消極的だと感じてしまうのです。

人事の概念
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上司が「器の小さい人間」だったら…

あなたの直属の上司、たとえば主任が、とても尊敬には値しない、器の小さい人間だったとしましょう。

「人より早く主任になったのだから、それなりの魅力があるはずだ」と探ってみても、まったく見つかりません。運が良かったのかコネがあるのかはわかりませんが、とにかく、「この人はダメだ」と判断せざるを得ない人間だったとします。

そんなとき、どうするか。

反面教師にするだけで、次の異動を待ち続けるか。ですが、次の異動で主任が替わる保証はどこにもありません。