無用な心配をして気持ちが暗くなるのを避けるにはどうすればいいか。精神科医の和田秀樹さんは「先回りして気持ちが暗くなるのは損だ。『予期不安』から自由になるための3つのアプローチを教えよう」という――。

※本稿は、和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

スマホを見ながら考え込む女性
写真=iStock.com/miya227
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世の中には考え始めたらキリがないほどの不安材料がある

気持ちが暗くなる要因には個人差がありますが、多くの人に共通しているのが、「予期不安」や「ストレス」によるものです。

予期不安とは、何かよくない出来事があると、「また同じことが起こるのではないか」と考えて、不安や恐怖に悩まされる感情のことです。

和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)
和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)

本稿では、このふたつの要因を中心として、「どうすればネガティブにならずにいられるのか?」をお伝えしていきます。

私たち日本人には、物ごとをつい悪い方向に考えてしまう傾向があります。

先々のことを心配して不安になり、気分が落ち込み、暗くなってしまうのです。

何ごとにも楽天的なラテン系の人たちとは対象的な国民性といえますが、その原因のひとつが、「予期不安が強い」という日本人の特徴にあります。

「がんになったらどうしよう?」
「この仕事は失敗するのではないか?」
「このままずっと独身かもしれない」

老若男女を問わず、世の中には考え始めたらキリがないほどの不安材料があります。

日ごろから「どうして暗くなってしまうのだろう」と自分の性格に悩んでいる人は、予期不安に振り回されて、先回りして暗くなっている可能性があります。