いつも気持ちが明るい人はどんな言葉を使っているか。精神科医の和田秀樹さんは「『どうせ……』は絶対に言ってはいけない。何かを試す前の段階で、『たぶん失敗するだろう』と決めつけ、勝手に暗くなる。そうではなく、別の口ぐせを心がけたほうがいい」という――。

※本稿は、和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。

椅子にもたれかかり窓の外を眺める男性
写真=iStock.com/Chinnapong
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口ぐせには、その人の「人生観」や「物の見方」が表れる

「気持ちが明るい人」や「表情が明るい人」に共通しているのは、世の中を否定的に見ていないということです。

否定的に見ていないから、様々な可能性を探して「いろいろなことを試してみる」という行動に出て、楽しそうに毎日を過ごしています。

それとは対象的に、暗い気分でいる人に共通しているのは「どうせ……」と考えて、実際にその言葉を頻繁に口にしていることです。

和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)
和田秀樹『なぜか人生がうまくいく「明るい人」の科学』(クロスメディア・パブリッシング)

口ぐせには、時として、その人の「人生観」や「物の見方」が表れます。

「どうせ……」と言っている人は、何かを試す前の段階で、「たぶん失敗するだろう」と決めつけ、それによって勝手に暗くなっているのです。

「どうせ……」という口ぐせには、「やる前から諦めている」という姿勢が示されていますから、ある意味では「自己否定」とも受け取れるネガティブなニュアンスがあります。

現在の日本には、この「どうせ感」が蔓延しているような気がします。

「一生懸命に働いても、どうせ給料は上がらない」
「起業しても、どうせ失敗する」
「投資なんかしても、どうせ儲からない」
「何をやっても、どうせモテない」

国政選挙のたびに投票率の低さが話題になるのは、多くの人が「誰が議員になっても、どうせ世の中なんて変わらない」と最初から諦めて、投票に行かないからです。