「コミュニケーション能力が高い」とは

面接で嫌われてしまう人の共通項に、「話が盛り上がらない」「会話していてつまらない」ことがあります。

面接官が何を聞いても、「はい……」「いいえ……」「そうですね……」。

会話が続かず、こちらから何かを聞かないと沈黙が続く……。「あ〜ぁ、この人、入社しても実際、いつもこんな感じなんだろうな」

面接結果は明らかですね。

前回の記事で「商談のような面接」の大切さを紹介しました。

面接を受ける立場であっても、面接相手に「良い質問」ができるのが、どの企業からも「ぜひわが社に来てほしい」と言われるコミュニケーションに優れた人です。

「私は~なのですが、Aさん(面接官)はどう思われますでしょうか?」「現職ではこうなのですが、御社ではどのように取り組んでいらっしゃいますか?」など、自分が答えながら、自然と相手にも質問を投げかけていく。

一方通行のプレゼンではなく、会話・対話になるように持っていく。

そこから相手の情報を得ることもでき、それを踏まえて次に自分が話すことの内容の取捨選択や軌道修正もできます。

本来、優秀な人材は無意識的に自然とこうしたコミュニケーションをしています。「質問上手」で「聞き上手」。極論をいえば、面接官と応募者の立場が逆転するような聞き上手こそが、採用される条件の一つです。

全面的な同意をする人=付加価値がない人

面接で面接官が話すことに「全面同意的な相づち」を打ちまくる人がいます。

「はい、おっしゃる通りだと思います」「ほんと、その通りですね!」といった具合です。

もちろん、相手の話を聞き、それに前向きな反応をすること、共感・合意することは大切なことです。ただし、ミドルやリーダー層の場合、これが行きすぎると逆効果になります。留意してほしいのは「合意だけしている人はいらない」ということです。

特に社長や役員クラスの面接官だと、あまりに過剰な迎合と映ると、内心では「本心か?」と勘ぐります。

面接側が知りたいのは、それだけ共感・合意してくれるなら、あなたが会社に参画したら、具体的に何をしてくれるのかということです。そして、その有無こそが、採用したいと思うか思わないかの分かれ目なのです。