イギリス紙「ウクライナの弾薬はロシアの40分の1」
そして、ウクライナの苦戦を伝える報道も目立ってきました。6月9日のイギリス紙「インディペンデント」に載った記事は、〈ウクライナ軍、ロシア軍に最大40対1で劣勢、情報報告書で明らかに〉。
ウクライナ軍は、ロシア軍に大砲で20対1、弾薬で40対1で圧倒され、大きな損失を被っていると、新しい情報源が語っている。
ウクライナと西側の情報当局による報告書では、ウクライナ軍はロシア軍の砲撃に対応するのが非常に困難であることも明らかにされている。ウクライナ軍の砲撃範囲は25キロに制限されており、敵はその12倍の距離から攻撃できるのだ。
これに対して、ウクライナ国防省の幹部も物量の差を認めていて、報道ほどではありませんが、「ロシアはウクライナの10~15倍の大砲を保有している」と発言しています。
6月8日、イギリスの雑誌『エコノミスト』に〈ウクライナの紛争は消耗戦になりつつある 誰が一番長く続けられるか?〉と題する記事が載りました。ここでもウクライナの武器不足が指摘されています。ロシア軍の作戦を研究するアメリカの海軍分析センターのマイケル・コフマン氏の話です。
マイケル・コフマンによれば、ウクライナではソ連標準の弾薬が不足しているか、それに近い状態だという。ポーランドなど旧ワルシャワ条約機構が保有する弾薬の在庫も、いずれ底をつくだろう。もしウクライナ軍が自国規格の武器に切り替えることができれば、西側諸国はより長期間の作戦を引き受けることができるようになる。ドンバス地方の軍事バランスはロシアに有利に見えるが、軍事バランスの全体的な傾向は依然としてウクライナに有利だ」とコフマン氏は主張し、「もし欧米の支援が継続されるなら」と述べた。
欧州の多くの国々では、対戦車ミサイルなどウクライナに送られる武器の在庫が不足しており、生産量を増やすには何年もかかる可能性がある。また、ウクライナが新兵器を取り入れるのも簡単ではない。欧米の防衛関係者は、ウクライナ軍が新兵器を使いこなす速さに感心しているが、戦時下で何十もの新しくて不慣れなシステムを維持するのは容易なことではない。エコノミスト誌によれば、すでに多くの大砲が修理のためにポーランドに送り返されたとのことである。ロシアは依然として武器の面で優位に立っている。