「何度も奪われました、また奪おうとしてる」

「ロシアはそういう国です。ウクライナはいじめられて、奴隷にされたこともあります」
「何度も奪われました、また奪おうとしてる」

彼女はウクライナの日本語学校に通った経験もある国立大学卒のエリートだという。

その後、シングルマザーとなり、紆余曲折を経てコロナ禍より以前に来日した。彼女の所属する店も「ロシア美女」を広告の煽りに使っているがロシア人は少ないそうだ。

「ウクライナ人と言ってもロシア人と一緒にする人は多いです。仕方ないです」

嫌いなロシアの名がついたパブで働くことに抵抗感はあるのだろうが、その店はデリバリー形式だから、他の女性と会うことも少ないという。パブでデリバリー? ヘルスというのはあるが、それではあるまいな。

赤い照明で夜のバー
写真=iStock.com/Sergey Gordienko
※写真はイメージです

「彼女の来日の理由は就職とお金だが、在留できている理由はあえて問わなかった。芸能や日本の企業就職、外国人講師など『在留資格認定証明書』は様々な形で交付される。『招へい人』と呼ばれる身元保証人のような形もある。残した家族のために異国で生きるとは並大抵のことではない」(NEWSポストセブン)

難民ではなく「避難民」とする日本政府の問題

日本人の大多数はロシア嫌いだといわれるそうだ。そのロシアからいじめられているウクライナ人はかわいそう、助けてやらなくてはと考える日本人は多いはずだから、彼女たちを雇えば客は来る。

私たちはウクライナ女性たちを助けている、皆さんもボランティアのつもりで飲みに来てくれませんか。そんな“商魂”が透けて見えてくる。

先の新潮の記事は、週刊誌によくある風俗探訪記事だが、私は、ここには大マスコミが書かない問題がいくつも隠されていると思っている。

一番重要な問題は、日本政府が“難民”とはせずに“避難民”とした欺瞞的なやり方である。

日本は、世界から「難民鎖国」と非難されるほど、難民に厳しすぎるとして有名な国である。だが今回のように、ロシアに理不尽に侵略され、雄々しく戦っているウクライナからの避難民たちを受け入れなければ、世論の反発にあうのは間違いない。

難民として受け入れれば、他の国から逃げてきた難民やその支持者たちから、差別ではないかと批判が起きることも考えられる。

そこで、知恵者がひねり出したのが避難民という呼称だったのであろう。