2021年10月、鳥取大学医学部附属病院で作家/画家の大宮エリーさんが看護師の話を聞くイベント『出張 スナックエリー』が開催された。当日、看護師長から「コロナ禍で先が見えない、どうしたらいいか」という質問が挙がり、それに対する回答で会場は爆笑の渦に包まれた。どんなやりとりがあったのか――。
※本稿は、鳥取大学医学部附属病院広報誌『カニジル 10杯目』の一部を再編集したものです。
大宮エリーが大学病院で看護師の話を聞くイベント
【原田省(鳥取大学医学部附属病院長)】エリーさんの絵、制作途中から何度も見に来ましたが、本当にいいですね。病院の壁に作品を描くのは初めてだったんですか?
【大宮エリー(作家・画家)】ええ。ずっと病院やホスピスに絵を描けたらいいなとは思っていたんです。自分の絵で患者さんや医療従事者の方に元気になってもらえたらと。それが鳥取で実現するというのは想定外でした。なぜ鳥取? って(笑)。
【原田】このプロジェクトは、昨年10月にエリーさんに病院へ来ていただいたことから始まりました。新型コロナウイルス対策のために、病院関係者は会食を控え、県外への旅行もできなくなったんです。
看護部から何かストレスを発散できる院内イベントを開催してほしいという依頼がありました。そこでエリーさんをお呼びすることにしました。
【大宮】「笑えるトークショーを」と広報の方に言われたんです。じゃあ、芸人さんに頼んだほうが間違いないですよって答えたんですよね。
でもそうじゃなくて、以前、島根のイベントで見たような、インタラクティブにお話しし合うような、ゆるいトークショーっておっしゃるので。そうか実際に、私のイベントをご覧になっていたんだということで引き受けることにしました。
【原田】イベントのタイトルは『スナックエリー』。エリーさんがママとなって、いろんな看護師の話を聞くという設定でした。
【大宮】病院内だからお酒は出せませんけど、点滴置いておきますって(笑)。制服姿の看護師さんとお医者さんがずらーっと座っている。目の前に原田病院長がでーんと。怖かったです(笑)。