自己肯定感を変化させるものの正体

もしもあなたの自己肯定感が日常的に上がったり下がったりしているとしたら、あなたが「条件付き」で自分を肯定したり、否定したりしているからだ。

その条件にはこんなものがある。

■見た目(顔、髪、身長、体重など)
■成績、学歴
■仕事、役職、キャリア
■貯金額、収入
■友達の数、人気(SNSのいいねの数、フォロワー数など)
■パートナーの有無(既婚/未婚など)
■家族、親戚
■才能、能力
■性格
■習慣、行動
■過去に自分がしたこと、あるいはしなかったこと
■過去に自分に起こったこと
■今自分がしていること、あるいはしていないこと
■今自分に起こっていること

「体重を50キロ以下にキープできている自分は好きだけれど、それ以上の自分は好きではない」
「成績がいい自分は好きだけれど、悪い自分は好きではない」
「過去に親から虐待されていたから、今もそしてこれからも自分は好きになれない」
「不運続きの自分は、天にも見放されていて愛される価値のない人間だ」

など、自分を受け入れ、愛することに「条件」をつけていないだろうか? 私が定義している自己肯定感は、これらの条件を一切取っ払って、「無条件」に自分を受け入れ愛するということだ。

つまり、体重が50キロ以下でも以上でも、自分をありのまま受け入れ愛するということ。不運が続いても続かなくても、そのままの自分を肯定するということだ。

コーヒーを飲んで笑って楽しい多民族の友人の女の子と男
写真=iStock.com/fizkes
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上司に例えて考えてみるとわかりやすい

ここで間違わないでほしいのは、決して体重をどんどん増やしても構わないと言っているのではないということ。

健康、美容のために、自分の体重は常に50キロ以下にキープしたいと目標を立てることは問題ない。違いは、それに取り組む姿勢だ。

●自己肯定感を上げ下げしてしまう取り組み方

「太っている自分は嫌いだ。スリムな自分しか好きになれない。だから、なんとしてでも常に体重を50キロ以下にキープしなければならない」

●自己肯定感を高いままにキープできる取り組み方

「太っていてもやせていても、私は私。どちらの私も、私は大好き。でも健康と美容のために、50キロ以下にキープするのがいいと思う。そのために頑張ってみよう」

一見あまり違いはないように見えるが、自分を否定して嫌いながらする努力と、自分を肯定して愛して励ましながらする努力では雲泥の差がある。

こう考えると分かりやすいかもしれない。

あなたを存在レベルではなく、成績だけでジャッジする上司のもとで長く働きたいだろうか? 「ありのままのお前には価値がないから、結果を出して価値を証明しろ」と言う上司のもとで努力し続ける人生を送りたいだろうか?

結果が出せなければ、あなたの全人格を否定するような上司と常に一緒にいるのは極めて苦痛だし、短期的に結果は出せても途中で息切れしてしまうはずだ。

一方で、あなたをまずは存在レベルで受け入れ愛して、結果が出れば一緒に喜んでくれ、結果が出なければ建設的なアドバイスをして励ましてくれる上司とであれば、仕事をするのは楽しいし、長期的に見て自分も次々と結果を出しやすくなるはずだ。

人生で一番長い時間を一緒に過ごす人。それは親でもパートナーでもなく、自分自身。いつもダメ出しばかりする自分、欠点ばかりを指摘する自分と長時間一緒にいるのは極めて苦痛なはずだ。

人生100年時代。自分の夢や目標は、人と比較することなく、自分に合ったペースでゆっくり時間をかけて叶えていけばいい。そんな時に必要なのは、いつでもそばにいて優しく励ましてくれる自己肯定感が高い自分自身に他ならない。