創立450年の節目に誕生するハロウ安比校
イギリスには、創立450年を越える歴史ある上流階級向けの学校があります。
イギリス元首相ウィストン・チャーチルらを輩出したハロウ校は、エリザベス女王1世から開校の勅許を受けた名門9校の1校です。
筆者は、世界にオンライン配信されたハロウ校450周年の記念式典の配信を見ることができました。
セントポール大聖堂で開催された式典では、イギリス国教会で創立者ジョン・ライオンと開校の設立勅許を出したエリザベス女王1世への感謝とこれまでの学校の歴史を振り返りました。
讃美歌、大聖堂の荘厳な式典、烏帽子を被った神父とまるで「ドラクエ」の世界。450年前の日本というと、織田信長が桶狭間の戦いで今川義元を破り、室町幕府を滅亡に追いやろうとしていた頃。信長が天下統一にひた走る時代にハロウ校は、開校しています。
そのハロウ校が創立450周年として、海外初のフルボーディング(通学がない全寮制)の中高として開校するのがハロウ安比校なのです。イギリス本校にもないスキー場に隣接し、自然と学問の調和を追い求めたキャンパスとなっています。
学費は年間900万円の富裕層向けの学校
授業参観のために保護者がヘリコプターに乗ってやってくる。
このような設定は『花より男子』のような少女コミックにはありますが、ハロウ安比校は、この世界観を地で行く「リアル花より男子」になろうとしています。
同校の開校に合わせて、2021年8月、岩手花巻空港初の国際線(台北間)の定期便が就航し、2022年3月に1泊100万以上のスイートルームを持つインターコンチネンタルホテル安比高原とANAクラウンプラザリゾート安比高原、ホリデイ・インとインターコンチネンタルホテルグループは、3つのホテルをオープンしました。ハロウ安比校の保護者が岩手花巻空港からインターコンチネンタルホテルまでヘリコプターで移動できるように準備も進んでいます。
昨年11月に開催された学校説明会の会場は、麻布にある会員制倶楽部の東京アメリカン倶楽部のボールルーム。ハロウ安比校のロゴ入り特製のデザートが出され、シャンパンの乾杯とともにスタートしました。別の日は、銀座にある社交クラブCITY CLUB OF TOKYOのラウンジでアフタヌーンティーを楽しみながら説明会が開催されました。いずれも会員制の倶楽部であり、説明会への参加は有料です。
ここで発表された学費は年間900万円。
この額に、夏休みに開催されるサマースクール代は含まれていません。インターナショナルスクールは、夏休みが2カ月半にわたるため、多くの場合、サマースクールに参加させます。仮に海外のサマースクールに参加させると渡航費を含め100万円が追加でかかります。1年間に1000万円の学費がかかることになります。
説明会でシャンパングラスを傾け、年間1000万円の学費にピクリとも動じない富豪向けの学校。それがハロウ安比校なのです。