マーケッターの眼

同じ業態だけがライバルではない! ファストフード各店のカフェ分野注力でスタバ、ドトール、マクドナルドの三強が激突。

コーヒーチェーン部門では、スターバックスとドトールが二強を形成した。しかし、両社のライバルは他の業態にもいる。ファストフード(洋食)部門1位のマクドナルドだ。マクドナルドは無料コーヒーでそのおいしさをアピールした。現在は先の2社を加えて、三強が激突している構図だ。

とはいえ、3社はそれなりに棲み分けができている。あらゆる客層を取り込むマクドナルドと違い、スターバックスのターゲットは一人客とカップルだ。ドトールはビジネスユースが多く、女性より男性の支持がやや多い。このように客層や利用シーンで見ていくと意外にバッティングは少ない。

客層や利用シーンの棲み分けは、評価されるポイントにも表れている。スターバックスは「接客・店内の雰囲気」で高評価だった。一人でくつろぐ女性客やカップルにとって、店内の雰囲気は外せない要素である。この結果も納得だ。

いま、スターバックスは成長の踊り場にいる。店舗の雰囲気や接客から派生するブランドイメージは、チェーンが200店舗程度までは維持される。しかし、ショッピングセンターなど従来とは違うイメージの場所に出店して店舗数を増やしていくと、接客レベルが追いつかなくなるケースが多い。

また店舗数の増加とともに客層が広がり、ブランドが陳腐化していく恐れもある。実際、アメリカのスターバックスは多店舗展開によってブランドが陳腐化して失速した。日本もその二の舞いになるかどうかは、出店場所の厳選やスタッフ教育しだいだ。

ドトールは、「価格」が評価された。コーヒー1杯200円は、お小遣いを減らされているビジネスマンにとっても許容範囲なのだろう。