万年2番手だったからこそ…
一方で、彼の全方位な能力の高さと上品さゆえに、優秀な「便利屋」として各番組に重宝されるようになっていった。川島が任されるのは、MCを助ける「2番手」的なポジションばかり。
「ラヴィット!」スタート直前には「万年2番手だった麒麟川島が転生したら千鳥おぎやはぎ山里を従えるメインMCだった件」(テレビ東京)という番組が放送されるほど「2番手」というポジションが定着した。
また、いわゆる「天の声」と呼ばれる仕事も多かった。ナレーション、つまり声だけで番組進行を担う役回りだ。
意外にもこの経験が大きかったと川島自身は振り返っている。出演者が盛り上がっている中、口を挟み必要な情報を入れるのは簡単そうで難しい。どんなタイミングで入ればいいのか勉強になり、そこで培った技術が現在の活動の礎になっているというのだ。
そうして長らく「2番手」のような立場で番組を支えてきたからこそ前に出すぎない押し引きの巧みさで共演者を光らせることができる。
そして、その裏で“手榴弾”を仕込み続けてたから、類いまれな瞬発力で、キレキレのツッコミフレーズを繰り出すことができる。
日々進化していく「ラヴィット!」
現在はそれだけではとどまらない。毎朝のように厳しい大喜利の場に身を投じているからこそ、川島自身も「自分で手つけられへん時がある」(「あちこちオードリー」21年8月11日)と話すほどの状態で居続けられているのだ。
毎朝出続ければ出続けるほど覚醒していく川島。ならば「ラヴィット!」の勢いはしばらく止まりそうもない。
(了)