最大の見どころは「オープニング」

こうした大喜利部分だけではない。メインである情報を紹介するVTRも回を追うごとにお笑い要素が増えてきている。

最初の頃は「冷やし中華ランキング」に、「冷やし中華始めました」という持ちネタがあるAMEMIYAが出るといった関連性のある芸人を起用する程度だったが、いまやスキあらばオモシロ要素を入れ込んでいく。

ロケの達人・なすなかにしやチャンカワイなど、この番組で結果を残す芸人が次々に現れるのも見どころのひとつだ。

いまや最大の見どころになっているのが、「オープニング」だ。近年、多くのテレビ番組でオープニングトークは削られる傾向にある。朝の情報番組ならなおさらだ。

しかし、「ラヴィット!」では当初、数分程度だったオープニングがいまや数十分あるのは当たり前。もはや「オープニング」というひとつのコーナーになっている。

「知る人ぞ知るオススメのモノ」「オススメの休日の過ごし方」といったざっくりとしたテーマが多いため、たとえば川島がスキあらば競馬の話に持っていったり、それぞれが得意分野の話を饒舌に語っていく。

1周年を迎えた時期の名場面を振り返るトークでは、オープニングなのに途中でCMまで入り、1時間近く続いたことも。

常識を壊すためにやっていること

共通しているのは「朝の情報番組の常識を壊す」「朝のアンチテーゼをやりたい」という制作陣やMC川島の思いだ。

生放送終了後には川島も参加してスタッフとの反省会が行われるという。

この反省会の模様を、番組立ち上げ時のプロデューサーである山家稔貴氏は筆者のインタビューに答えこう語っている。

「例えば『ここはこういうのがスタジオとしても面白かったし、見ている側としても僕たちも面白かった、そういうところを伸ばしていこう』みたいなスタジオの展開であったりとか、VTRの内容に関しても、『こういう振り方だとスタジオだと受けづらいから、こういう振り方のほうがいいんじゃないか』とか、かなり細かく、番組全体の内容を川島さんと意見交換します。

川島さんは笑いへのこだわりがすごい強い方なので、どうやったら芸人さんをVTRでうまく使えるか、面白く見せることができるのか、みたいなことはすごく話し合います」(「ヤフーニュース個人」2021年9月13日

カフェで仕事の打ち合わせをする3人の男性
写真=iStock.com/Yagi-Studio
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「笑っていいとも!」のような存在に

そうしたこだわりで作られ、VTRも芸人のボケを最大限いかした編集をしてくれるという信頼感があるからこそ、芸人たちは伸び伸びと楽しく番組に参加しているのであろう。

結果、番組に熱が生まれる。朝の情報番組では異例となる、民放公式テレビ配信サービス「TVer」での配信開始もごく自然なことのように感じた。

このままいけば、同じ帯のバラエティ番組だった「笑っていいとも!」のような、長く愛される存在になってもおかしくない。いや、もはやそうなっていると言っても過言ではない。

それが実現できてきているのはやはりMCの麒麟・川島の存在が大きい。