家電量販店を語るうえで欠かせないサービスの一つが、各社がしのぎを削るポイント制だ。レーダーチャートを見ると、「価格・ポイント制」でもヤマダ電機がトップの評価を得ており、まさに死角はないように見える。

ただ、ポイント制にも弱点はある。ブランドロイヤルティを高める要因の一つとして価格があるが(食品スーパー部門参照)、「価格で取ったお客は、価格で取られる」とよく言われるように、価格をテコとしたロイヤルティは意外な脆さがある。

その点、リピートにつながるポイント制は、価格頼みの弱みをカバーする有効な囲い込み手段だといえるが、一方で、消費者のポイント活用スキルも上がっていることに注意したい。

たとえば家電購入で得たポイントを消耗品などの低価格商品で使い切り、大きな買い物は他店の価格と比較検討するという消費者も増えている。こうなると、ポイント制は役に立たない。ヤマダ電機に限った話ではないが、価格やポイント制への過度な期待は禁物だ。

私の注目ブランド→エディオン

価格ではなく、品質をテコとするブランドロイヤルティは根強い。その点で注目したいのがエディオンだ。同社は顧客からの修理依頼当日に訪問修理するなど、各種調査でアフターサービスの評価が非常に高い。ただし、アフターサービスの品質は、実際に利用しないと価値を実感しづらい点がネックだ。市場での評判効果を含めて長い目で注目していきたい。

※すべて雑誌掲載当時

(坂本道浩、宇佐見利明=撮影 ライヴ・アート=図版作成 <マーケッターの眼>小野譲司/村上 敬=構成)