「ほう」「という」「など」…ボカシ言葉は排除する
文章を「断言調」にするために大切なことがあります。ついつい文章に入れたくなる「ボカシ言葉」を排除していくことです。
よくある「ボカシ言葉」とその使用パターンの例は以下の通り。
・ほう:鈴木のほうが失礼しました/御社のほうでご用意いただけますか
・という:○○という意味で/△△ではないのかという気がした
・など:○○や△△などの行為/「□□」などというユーザーがいる
・ある意味:ある意味、立派なものだと思います/ある意味で困難だ
・受け身形:思われる/思わされる/考えられる/見られる/見受けられる
こうした言葉は、使い勝手がよく、文章を書き慣れている人でも意味なく使ってしまいがちな要注意ワードです。
「ボカシ言葉」を使うと、その名の通り、何が言いたいのかボンヤリした文章になっていきます。いってみれば「味」が薄くなるのです。
文章の薄味化を避けるには、断定できるところを、意識的に断定表現に変えていくしかありません。その積み重ねによって、メッセージが明確に伝わる「濃い味の文章」ができるのです。
電話では「弊社のほうでは、お引き取りいたしかねます」と言ったりします。でも、文章では、「弊社では、お引き取りできません」と書けば確実に伝わるし、読み手にとっても親切です。
もっとも、「ボカシ言葉」を絶対に使ってはいけないというわけではありません(←たとえば、この「という」は不要)。
使うなら「この言葉を使わなければ意味が伝わらない」「使わなければ語調がヘンになる」といったケースでなければならない。
つまり、「必然性があるときに使いましょう」ということです(←この「という」はOK)。
「小学生でもわかる文章」が最適解だと言える
日本は、総人口の約3割が65歳以上となりました。65歳以上になると、老眼をはじめ、文字を読むと疲れる、座る姿勢が辛いなど、文字を読むのに何かしら難がでてきます。
残りの7割近い「非・高齢者」でも、40代後半になると、老眼の症状が出始めるといいます。だから、この年代の人たちも読むことに軽い障害をもっている。
もっと若い人はどうでしょう。私は40代ですが、強い近視なので、メガネなしでは本が読めません。そのうえ年々目が疲れやすくなっている。視力1.5の人でも寝不足、花粉症、ドライアイ、体調不良などで読むのが辛い状態とは言えないかもしれません。
さらに若い人になると、目は良くても、知らない漢字や言い回しが多い……など考えると「日本人の大半は読むことに何らかの障害を抱えている」というのもまんざら嘘ではないことがわかります。