「オワコン観光地」の烙印を押されかねない

円安に歯止めがかからない今、外国人訪日客による消費はコロナ禍、ウクライナ侵攻と立て続けに打撃を食らった日本経済の復活につながる。日本のコロナ鎖国が長引いたことから、海外での資源や穀物の買い付け競争でも買い負けていると聞く。安い円を使って、他国の買い付け額より高い値段で買わされていたのでは、物価の高騰に拍車をかけることになる。

居酒屋の入り口に赤い提灯の紙ランプが照らされた暗い夜の祇園地区の狭い空の路地
写真=iStock.com/ablokhin
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旅行業界も海外の訪日予備軍の人々も待ち焦がれている「コロナ鎖国からの開国」だが、岸田文雄首相は先の会見で、こうした人々の期待に反して「具体的にいつからとかという予定は、確定はしておりません」と述べ、近々の「開国はない」ことを改めて公言した。これでは、すでに開国した国々と比べ、国際的な旅行マーケットでの日本のプレゼンスがどんどん収縮してしまう。

ただ漫然と「外国人来ないで」のポピュリズムに流され、然るべき準備なくインバウンド事業を放置している現状は、日本経済にとって適切な方向なのだろうか。ロジックを立ててしっかりと対策を練っている東南アジアの国々の取り組みには学ぶところが多い。「日本は良い国だから、開国すれば人が来る」とただ待っているだけでは、国際的な旅行市場から「日本はオワコン観光地」との烙印を押されてしまうかもしれない。

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