鼠径(そけい)ヘルニアとは、いわゆる「脱腸」のことである。日本人の100人に1人はそれがあるといわれ、人知れず悩んでいる人は多い。

太ももの付け根の部分(鼠径部)には腹腔と外を結ぶ筒状の管(鼠径管)がある。この鼠径管の中を、男性では「精索(せいさく)」が通っている。精巣でつくられた精子はこの精索の中を通って腹腔内に入り、そこから尿道を経て射精される。

元来、精巣は腹部の背中側についていたものが下へ下へと降り、ポケット状の袋をつくったもの。出生時に腹腔内と外が閉じてしまい、鼠径管で結ばれる構造になる。