暑いと汗をかくのは、ごく自然なこと。ところが、その自然な量以上の汗をかく人がいる。「フローリングの床を歩くとペタペタ音がして足跡がつく」「試験中に答案用紙が汗で濡れて破れてしまう」など、汗が原因で悩んでいる人は多い。このような単なる汗かきを超えた状態は「多汗症」という病気である。

精神性発汗と同じように手のひら、足の裏、脇の下、額などに汗をかくものの、精神的要因は2次的で、多汗症の人は汗を出す体の仕組みに異常が起きている。自律神経の中の交感神経の反応が強く過敏であることはわかっているが、なぜそうなるのかはわかっていない。遺伝的要因もあると考えられており、不明な点の多いのが現状である。