税金投入が膨らむ危険

協定書で<合理的な理由>があれば大阪市が費用負担するという記述についてもこう懸念する。

「地盤沈下をわざわざ大阪市議会で大阪IR社が持ち出したことで、790億円以上の負担を求めてくるのではないかと危惧しています。維新の肝いりのIR計画はコロナの影響で大阪IR社しか手をあげなかった。そこに頼るしかないのが現実なので、拒否はできないんじゃないですか」(同前)

一方、参考人招致を受けて松井市長は17日の記者会見でこう反論した。

「市議会でもこれまで事業者(大阪IR社)のIR経済効果試算に疑念がある、大阪府市の納付金がコロナで大丈夫かといろいろ疑問点もあり、説明があってよかった。大阪市は土地所有者として、安全安心の土地提供するためアッパー(負担上限)が790億円。地盤沈下は、土地の自然由来なので事業者(大阪IR社)の負担。それが大阪市の埋め立てた土地に起因するものと、根拠のあるものがでてくればその時に大阪市の負担は考える」

土地課題、コロナと不透明な中、大阪市議会、大阪府議会で議決を得てIRは次のステップに進むことができるのか?

(AERAdot.編集部 今西憲之)

当記事は「AERA dot.」からの転載記事です。AERA dot.は『AERA』『週刊朝日』に掲載された話題を、分かりやすくまとめた記事をメインコンテンツにしています。元記事はこちら
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