慶應に合格した生徒がやっていた一工夫

その彼は、現役で慶應義塾大学経済学部に合格したのですが、動画の視聴に工夫がありました。彼はある動画プラットフォームをメインに活用し、大学受験を切り抜けました。そもそも彼が学習用動画を使う動機となったのが、学校の進度が本人にとっては遅いと感じたからだそうです。

数学を学ぶ高校生
写真=iStock.com/taka4332
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そこで彼は、同じ情報量の授業でもインプットにかける時間を短くすることさえできたら、学習効率を一気に高めることができると考え、視聴速度を自分でコントロールできる収録(オンデマンド)型の動画を1.5倍速で視聴することにしました。さらに、自分にとって必要だと思われる部分に絞って飛ばし飛ばし視聴することで、インプットにかける時間を極限まで圧縮することに成功したのです。

また、そのプラットフォームにある動画は、ほとんどすべていつでも視聴できる分、視聴のタイミングはすべて自分で決めなければなりません。

だからこそ彼は、自分で動画視聴の計画を立て、学校から帰宅したらすぐに動画を観ることをルーティンにしたそうです。その上で、動画視聴は1日あたり2~3時間ほどにし、基本は1.5倍速の視聴。時間の効率化を図りつつも、理解が追いつかないところやメモ取りが間に合わないときには躊躇なく一時停止を行ったりと、メリハリを付けながら自分にとって最適なペースを常に保ちながら動画視聴を主軸においた受験勉強を行っていたそうです。

これからの時代は、動画教材の選び方や視聴の仕方で学力の伸びに差が出てくることは間違いありません。そして、世界ではYouTubeを含め、動画プラットフォームのコンテンツを使って勉強したり学んだりすることはもはやスタンダードになりつつあります。日本はやや遅れ気味ではありますが、これからの広がりに期待したいところです。

そのためにも、教育目的の子どもの動画視聴では、「自分で見つけさせて、自分で選ばせ、自分のペースで視聴させる」ことが何よりも重要ですし、これを子ども自身でできるようにさせるためにも、まずは親である自分が、動画の視聴の仕方について理解を深め、子どもと一緒に学んでいく姿勢が大切です。

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