YouTubeが「勉強にとって悪である」はウソ

現在私は、東京大学を拠点とし、認知科学という学問をベースにヒトの学習のメカニズムを中心に研究を行っています。また、国や企業とタッグを組んで開発プロジェクトや現場実証なども行っています。

これらの活動の主軸が、私の専門の一つである「効果的な学習用動画教材の開発」です。動画教材が学習者にどのようにデザインされ、どう視聴してもらうと最も学習効果が高いかを、効果検証をしながら研究を進めています。

このような背景を持つ私の視点では、YouTube上にアップされたコンテンツは立派な学習教材になります。もちろん、動画の質自体は玉石混交ではありますが、YouTubeが「勉強にとって悪である」という考えは捨てるべきです。

だからこそ、親に求められることは、子どもに「何の」動画を「どう」視聴させるか。これをマネジメントすることです。

このマネジメントは、以下の2ステップで行っていくことが重要です。

Step1:最初は子どもと一緒に伴走する
Step2:判断基準や行動指針だけ与える

Step1では、まず親が教育目的でYouTubeは活用できることを理解した上で、はじめのうちは子どもと一緒に動画を視聴しながら、親自身が学ぶことができている姿勢を子どもに見せることです。

親がやるべき2つのポイント

このときのポイントは、

・YouTubeにどのようなコンテンツがあるのかを、子どもと一緒に視聴する前にあらかじめ大雑把に知っておくこと
・その上で、今、自分の子どもが学校で学んでいることに少しでも関わりそうな動画は、どのような検索ワードで見つかるのか当たりをつけておくこと

子どもの年齢にもよりますが、例えば子どもが電車好きであれば、日本や世界各国の地理と合わせて、どこの地域でどのような電車が走っているかを、動画と地図を照らし合わせながら一緒に調べたりするのもいいでしょう。