「勉強モード」に切り替えるのにもってこいの色
学習に最も大切なのは集中力と持続力です。青はこの両方の力を高めてくれる効果があります。確かにこの色には気持ちを落ち着かせ、引き締めてくれるはたらきがあります。
青は気持ちを勉強モードに切り替えるのにもってこいの色なのです。
また、大切なポイントは「全て書くこと」。資格試験のために通っている講座があったら、その場で講師が発した冗談まで、試験には役に立ちそうもないことも、全て青ペンで書き取ることが重要だといいます。
そうすることで次にノートを開いたとき、眼前に講師の授業が迫りくるほどの「再現性」が生まれ、記憶として定着するのだそうです。もちろん全て書くのは難しいので、極力そうした気持ちでできる限り書けば良いということです。
勉強するときは書くだけではなく、テキストに蛍光ペンでマーキングを行うこともあります。その際にはどんな色が最も記憶を向上させるのでしょうか。
ピンクの蛍光ペンで文字を覆うのが効果的
蛍光ペンの色にはピンク、オレンジ色、イエロー、グリーン、ブルーなどがありますが、蛍光ペンの色による記憶効果の違いについて調べた実験では、ピンクが最も優れていることが明らかとなっています。
さらに、マーキングには下線を引く方法、文字自体に線を引いて覆う方法がありますが、これも記憶力に関係しています。2002年に報告された研究調査によると、下線を引くよりは、文字を覆うほうが記憶しやすいこともわかりました。
つまり、ピンクの蛍光ペンで文字を覆うマーキング方法が、記憶を定着させるには最も効果的であるということです[6]
また、イエローは記憶力を高める効果は最も低いことが確認されています。
色は、私達の想像以上に学びの能率に影響を与えるのです。
[1]Colour Boosts Brain Performance and Receptivity to Advertising, Depending on Task: UBC Study THE UNIVERSITY OF BRITISH COLOMBIAFeb 5, 2009
[2]Work week productivity, visual complexity, and individual environmental sensitivity in three offices of different color interiors April 2007· Color Research & Application 32(2):130 – 143
[3]The influence of color on student emotion, heart rate, and performance in learning environments First published: 26 February 2015l
[4]The effects of perceiving color in living environment on QEEG, oxygen saturation, pulse rate, and emotion regulation in humans August 2014 University of Melbourne
[5]岩崎寛(2008年). 都市緑化植物が保有するストレス緩和効果――揮発成分からみた癒しの効果――
[6]蛍光色によるマーキングの効果 2002年38巻 Supplement号 p.500-501