モデルの起用理由も「好かれる」より「嫌われない」

プリ機を企画する際、私たちは極論をいえば、女子高生~22歳の女性のほぼ全員をターゲットユーザーとして想定しています。女性というマーケットを狙いたいなら、ざっくりと年齢を広めに決めて、「そのあたりの人を全部とる」と考えるのがいちばんいいでしょう。

女子高生~22歳の女性と考えると、年齢ごとの人口が約52~61万人で、全体では約400万人の市場になります(※)

その一大市場を常に意識して、プリ機にそこまで興味がない子にも撮ってみたいと思ってもらえるような提案を探し続けているのが私たちの事業活動ともいえます。プリ機は、ニッチな市場に見えて、想定している対象は決してニッチではありません。

たとえば、プリ機の外装のモデルさんやポーズ見本の画像のモデルさんに誰を起用するかも「めちゃくちゃ好かれる」よりは「嫌われない」を重視しています。

※人口推計(2019年10月1日・総務省)、2021年10月1日は推計

人気モデルにはアンチも多い

しかし、私たちは超人気のモデルはあまり積極的には起用しません。「人気モデルはギャラが高い」という予算の問題ももちろんありますが、人気があり過ぎるモデルはときにアンチも多く、また本人のイメージも強いからです。

「そのモデルのことが嫌い」というアンチとまではいかなくても、「あのモデルさんは私とは違う」と思っている層も必ずいます。

フォトセッション
写真=iStock.com/ElenaNichizhenova
※写真はイメージです

そうすると、そのモデルを起用することで一定層を最初から捨てることになってしまいます。まだ知名度は高くないけれど、「これから人気が出そうな人」を軸に検討するのを基本姿勢にするのがいいと思います。本人のイメージもまだ強くないため、表現したい雰囲気に合わせやすいというメリットもあります。

また、人自体を使わないのも方法のひとつです。人物を使わないほうが、逆にユーザーにとってもいい場合もあります。