奇抜な服装やファッションは万人受けしない

以上のことを念頭においてモデルを起用するのが、失敗しない秘訣です。ただ、人気モデルが持つファンの数や影響力を考え、あえて起用するのであれば、もちろん方針としてはありです。

モデルの選定はプリ機の企画において非常に重要な検討項目です。奇抜な服装や髪型が似合う尖ったモデルさんは一部には刺さりますが、万人にはウケません。

それならば、比較的広い層に人気のあるモデルならばいいかというと、それにも難点があります。さきほども言ったように、モデルにはイメージがあり、人気があればあるほど、アンチも必ずいるからです。

私たちの例ですと、藤田ニコルさんをモデルに起用した機種がいくつかあります。藤田ニコルさんはそれこそファンの多い人気者じゃないか、という声が聞こえそうですが、実際そのとおり、テレビなどへの露出も多くなったタイミングでの起用でした。ニコルさんの明るく楽しいキャラクターをそのまま押し出してしまうと、「これは若い子向けの機種なんだな」と思い込ませてしまう可能性もありました。

人気者を起用する時は「その人らしく」しない

もちろん、こういう場合は、ニコルさんを使わないという選択肢を考えるのもいいでしょう。

しかし、私たちは、知名度の高いニコルさんをモデルにし、なるべく多くの人に撮ってみたいと思われる方法を考えました。

その結果、中学生など低年齢層をターゲットにした機種ではニコルさんのキャラクターの雰囲気をそのまま生かしました。一方、高校生や大学生向け機種にも登場してもらいましたが、こちらではニコルさんの雰囲気を私たちが伝えたい世界観に合わせてもらいました。世界観にはめこんだわけです。ニコルさんの通常のイメージからすると「らしくない」感じといえるかもしれません。

具体的には「SALON AIR2(サロンエアー2)」という、ふわっとした写りがコンセプトの機種に出てもらいました。いつもの雰囲気ではなく、かなり大人っぽい印象に仕上げました。

SALON AIR2
画像提供=フリュー株式会社
SALON AIR2

ファンは、どんな姿をしていても、必ず撮ってみよう! と思ってくれるのでそのプロモーション効果に期待しながらも、ファン以外の女の子から見ても魅力的な仕上がりに着地させました。モデルに疎い女の子たちには、いつもの雰囲気と異なっているため、パッと気づかれないこともあるぐらいでした。