徹底的な「小型・軽量・低電費」化に勝機

リチウムイオンバッテリーの価格は2010年比で9分の1にまで下がっているといわれており、宏光MINI EVを分解して分析した名古屋大学の山本教授によれば、バッテリーのコストは16万円程度ということらしい。

徹底的に割り切った設計をすれば、日本でも100万~150万円程度の低価格軽EVを作ることができるのではないか。もしもそのようなモデルが発売されれば、日本でもEVが大きく普及していくのではないだろうか。

普及するのは、もちろん地方からである。

若者の支持がカギを握る

宏光MINI EVのように、デザインを工夫すれば安っぽくてもファッション性の高いアイテムとして若者にも支持される可能性もある。

電気自動車が充電完了するのを待っているバスケットボール選手
写真=iStock.com/SimonSkafar
※写真はイメージです

シトロエン2CVや初代フィアット・パンダなど、安っぽいベーシックさがかえって人気となったケースも過去には多々あった。このようなEVであれば、ある程度普及しても電力需要に与える影響もそれほど多くないだろう。

環境負荷、使い勝手両面から考えて、EVを普及させるためには現在欧米各社の主流の開発方向である「大型・高性能・長航続距離」ではなく、徹底的に「小型・軽量・低電費」であるべきと思う。

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