新幹線の駅のホームで手渡しできたプリン
また、ある地方にお住まいの男性からいただいたご相談も切実でした。
「病気の妻にプリンを食べさせたいのだけれど、近くにお店がない。どうしても食べさせたいから、受け取れる方法はないでしょうか?」
たしかに、ご夫婦がお住まいのエリアには、パステルの店舗がなく、崩れるリスクもあるので配送も難しかったのです。
私たちは知恵を絞り、ある“作戦”に出ました。ちょうど予定されていた九州での催事に合わせて連絡を取り、「催事で販売する分のプリンをお分けします。新幹線が停車したときにホームで受け渡しますので、◯月◯日◯時◯分頃に、◯◯駅のホームで待っていてください。◯号車に乗ります」とお伝えしたのです。
作戦は見事、成功!
無事にプリンをお渡しでき、事前にお伝えしていた代金をホームで受け取って会計も終了。プリンの箱を手にした紳士が「ありがとうございます。妻が喜びます」と涙を流さんばかりに喜んでくださったと聞き、私も胸が熱くなりました。
そこまでするのか、と思われるかもしれません。たしかに、すべてのご要望にお応えすることは不可能でしょう。私が大事にしたいのは、シンプルに「一つひとつの仕事に心を込める」という誠意です。毎日500個のプリンを作っていたとして、1個のプリンが「500分の1」になってはいけない。
お客さまにとっては、1個がすべてであり、「1分の1」なのです。手を抜くことなど、どうしてできるでしょうか。
▶視点を変えるヒント
お客さまにとっては一期一会。商品のクオリティに胸を張れるか、自問する。
お客さまにとっては一期一会。商品のクオリティに胸を張れるか、自問する。