新型コロナウイルスは「食べて感染」は起こりにくい
余談ですが、よく、ウイルスの入った飛沫が食べ物に飛んで、それを食べると感染すると思っている方がいます。
しかし、新型コロナウイルスは、「食べて感染」は起こりにくいと考えられています。それは、新型コロナウイルスはエンベロープという膜に覆われており、エンベロープは胃酸によって破壊され、ウイルス自体の感染力が失われるからです。
しかし、エンベロープをもたないノロウイルスは、食品とともに胃に入り、胃酸をくぐり抜けて小腸に達し、食中毒を引き起こします。
このように、ウイルス対策はウイルスの特徴によって異なるので注意が必要です。
ウイルス量の多い場所に集中して掃除をするべき
例えば、①~⑤の5つの部屋があるとします。
そして、①②③それぞれの部屋にはウイルスが100、④と⑤の部屋にはそれぞれ10あるとします。
Aさんは、①②③の3部屋に的を絞り、90パーセントの力(丁寧さ)で掃除して、90パーセントのウイルスを除去しました。
Bさんは、①②③④⑤、すべての部屋を50パーセントの力(丁寧さ)で掃除して、50パーセントのウイルスを除去しました。
お掃除後、それぞれの家に残ったウイルスは、Aさん宅が50、Bさん宅が160。
これは単純な数字を使った例え話ですが、事実、ウイルス量の多いところに的を絞って丁寧にお掃除するほうが効率的かつ効果的であるということです。
もちろん、お掃除が大好きで、毎日家のなかを隅から隅までピカピカにしています! というご家庭ならその必要はありませんが、そもそもそういう方は、本書を手に取ることもないのかもしれませんね(笑)。
ダイニングテーブルのウイルスを除去する方法
ダイニングテーブルは、家のなかでもっともウイルスに汚染されやすい場所です。
家族が集まり、会話がはずみ、飛沫が飛び交う場所だからです。
重い飛沫はダイニングテーブルの上に落下し、飛沫に含まれたウイルスはテーブルの表面でしばらく生存します。
別の家族がテーブル上のウイルスに触れ、触れた手で目、鼻、口などの粘膜をさわることで、家族間での感染が広がっていきます。
この家庭内感染を防ぐには、ダイニングテーブルをこまめに拭くことが大切です。
使用するのは、ペーパータオル、キッチンペーパー、ペーパー布巾など。
台布巾のように使いまわしをするものよりも、サッと拭いてパッと捨てられるペーパーを使用するほうが衛生上おすすめです。
ペーパーの材質によってはテーブルに傷が付くことがあるので、じゅうぶんに気を付けておこなってください。
「席を立つときにサッとひと拭き」。これを習慣にしましょう。