「大掃除」はいつやればいいのか。『病気がイヤならその掃除をやめなさい。』(河出書房新社)を書いた松本忠男さんは「日本では『大掃除は年末』というのが常識だが、本当に大掃除をすべきなのは汚染の激しい冬と夏が終わった直後」という――。
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カビが大好きなのは風が回りにくい「垂直な場所」

床や机など「水平の場所」には、ホコリや汚れがあるのが見えます。このため、一般のお掃除は、水平の場所が中心になりがちです。

しかし、カビは水平な場所にいるとは限りません。胞子はどこにでも付着しますし、その場所がカビにとって適温で、湿度が高く、汚れがあれば、どんどん増えていきます。

風の回りにくい「垂直な場所」、つまり壁こそが、絶好の環境だったりするのです。

気密性の高い現代の家は、1年中「結露」が起こっています。冬は、窓ガラスや壁の表面が濡れるのでわかりやすいのですが、じつは夏にも、結露が発生しているのです。

日本の夏は、基本的に高温・多湿です。また、近年は温暖化の影響もあり、気温がさらに高くなっています。朝から夜までエアコンをつけっぱなし、という家庭も多いでしょう。このため、部屋の壁は冷やされています。壁に接した外気が冷やされて、結露になってしまうのです。

ところが、この結露は壁の内側に発生するため、外からは見えません。冬のように、窓ガラスや壁が濡れれば、拭いたりできるのですが、壁の内側ですから、拭きようがないのです。しかも、夏は高温・多湿ですし、壁のなかには風は回りません。

このため、大量のカビが繁殖してしまうというわけです。

「壁のなかでもカビは生きられるの?」と思うかもしれませんが、カビはなんでも栄養源にします。壁材も壁紙を張る接着剤も栄養源になってしまうのです。このため、壁紙を剥がしたら、壁一面にカビが生えている、なんてこともよくあります。見えていないだけで、カビで覆われている住まいは少なくないのです。

梅雨の6~7月、雨が多くなる9月以外も油断できません。むしろ無防備になるこの時期こそ、カビが大繁殖する時期といえるでしょう。

というより、いまの日本のような気候と、気密性の高い住環境においては、一年中カビが繁殖する、と考えるほうが自然なのかもしれません。

だからこそ、換気と家のなかの空気を回すことが、より重要になってきます。