冬の「コールド・ドラフト現象」でカーテンがカビだらけに

外気の冷たい冬は、窓ガラスが冷たくなっています。すると、室内では次のような現象が起こります。

まず、室内の上方にある温かい空気は、窓ガラス付近で急激に冷やされます。すると、冷やされた空気は窓に沿って下降し、床に突き当たるとうようにして室内に広がります。その後、冷えた空気は室内で温められて上昇し、再び窓ガラス付近で急激に冷やされて、下降します(図表3)。

コールド・ドラフト現象
松本忠男『病気がイヤならその掃除をやめなさい。』(河出書房新社)より イラスト:瀬川尚志

これを「コールド・ドラフト現象」といいます。

例えば、朝方、窓の付近にいると背中に冷たい風を感じることがありますが、それはコールド・ドラフト現象が起き、上から風が流れ落ちているからです。しかもこの風は、結露した窓の湿気を帯びています。

このため、窓ガラスのすぐそばにあるカーテンの裏側は湿り、カビが生えやすくなるというわけです。では、どうすればいいか?

カーテンを開く女性
写真=iStock.com/andresr
※写真はイメージです

朝気持ちよくカーテンを開けるためにやるべきこと

三大条件のどれかを改善することです。カーテンの温度は変えられないので、湿度と汚れを取り除きます。

松本忠男『病気がイヤならその掃除をやめなさい。』(河出書房新社)
松本忠男『病気がイヤならその掃除をやめなさい。』(河出書房新社)

基本は、カーテンの湿り気を取るよう、風を当てる時間を増やすことです。朝になるとカーテンを開けますが、湿った状態で束ねるのは、カビを増やす原因です。

しばらくのあいだ、カーテンを閉めたまま窓を開けて風や日光を当てる、あるいは窓とカーテンのあいだに扇風機を置いて風を送るなど、「乾かす」ための工夫をしてみましょう。

また、栄養源となるホコリは「化繊ハタキ」で取るのがおすすめです。静電気の力で静かにホコリを引き寄せられるからです。外から入る土ボコリや排気ガスも栄養源になるため、季節ごとに洗濯したり、クリーニングに出すことも大切です。

朝、カーテンをシャーッと開けるのはとても気持ちのいいものですが、この瞬間、カビの胞子やウイルスなどの見えない敵が、ワーッと勢いよく飛び散っていることを知りましょう。