決して「水拭き」はしてはいけない

松本忠男『病気がイヤならその掃除をやめなさい。』(河出書房新社)より
松本忠男『病気がイヤならその掃除をやめなさい。』(河出書房新社)より 

図表1は、ダイニングテーブルの「拭き方と汚れ落ち」の関係を調べたもので、数字はATP測定値です。

ATP測定値とは、生物の細胞に存在するATPという物質を発光させて測定した発光量のことです。つまり、測定値の値が大きければ大きいほど、生物由来の汚れが多く存在することを意味しています。

これを見れば、水拭きがダメな理由は一目瞭然です。

水拭きは、乾拭きに比べて吸着率が高いので、汚れはいったん布巾に吸着されます。

しかし、そのままその布巾でテーブルを拭くことで、布巾にくっついた汚れがベターっと塗り広げられてしまうのです

家族の食事風景
写真=iStock.com/kokouu
※写真はイメージです

「いきなりアルコールスプレー」はなぜいけないのか

コロナ禍で、アルコールスプレーはすっかり家庭の定番になりました。

なかには、片手にアルコールスプレー、片手に雑巾をもって、あっちでシュッシュ、こっちでシュッシュ。

松本忠男『病気がイヤならその掃除をやめなさい。』(河出書房新社)
松本忠男『病気がイヤならその掃除をやめなさい。』(河出書房新社)

「アルコールさえ振りかけておけば安心」。そんな方も少なくないようです。

たしかに、アルコールは新型コロナウイルスの除去に効果を発揮します(アルコールが効かないウイルスもあります)。

しかし、汚れたところにいきなりアルコールを振りかけてはいけません。

アルコールで溶けた皮脂などの脂汚れがウイルスをコーティングしてしまうため、除去の効果が薄れてしまうのです。

ですから、まずは一方向乾拭きで、テーブルの上の汚れをできるだけ取り除いておくことが大切です。アルコール除菌はそのあとでおこなうべきなのです。