決して「水拭き」はしてはいけない
図表1は、ダイニングテーブルの「拭き方と汚れ落ち」の関係を調べたもので、数字はATP測定値です。
ATP測定値とは、生物の細胞に存在するATPという物質を発光させて測定した発光量のことです。つまり、測定値の値が大きければ大きいほど、生物由来の汚れが多く存在することを意味しています。
これを見れば、水拭きがダメな理由は一目瞭然です。
水拭きは、乾拭きに比べて吸着率が高いので、汚れはいったん布巾に吸着されます。
しかし、そのままその布巾でテーブルを拭くことで、布巾にくっついた汚れがベターっと塗り広げられてしまうのです
「いきなりアルコールスプレー」はなぜいけないのか
コロナ禍で、アルコールスプレーはすっかり家庭の定番になりました。
なかには、片手にアルコールスプレー、片手に雑巾をもって、あっちでシュッシュ、こっちでシュッシュ。
「アルコールさえ振りかけておけば安心」。そんな方も少なくないようです。
たしかに、アルコールは新型コロナウイルスの除去に効果を発揮します(アルコールが効かないウイルスもあります)。
しかし、汚れたところにいきなりアルコールを振りかけてはいけません。
アルコールで溶けた皮脂などの脂汚れがウイルスをコーティングしてしまうため、除去の効果が薄れてしまうのです。
ですから、まずは一方向乾拭きで、テーブルの上の汚れをできるだけ取り除いておくことが大切です。アルコール除菌はそのあとでおこなうべきなのです。