意外と知らない事実「やる気には3種類あった」
やる気(モチベーション)には、3種類あるのをご存じでしょうか。1つ目がハイモチベーション、2つ目がアクションモチベーション、そして、3つ目がギャップモチベーションです。
①ハイモチベーション
急に「よし、気合いだ‼」と無理に出そうとするやる気を、「ハイモチベーション」といいます。これはとても危険です。なぜなら、急に高めたモチベーションは、すぐに下がってしまうからです。体温が急激に上がったら、体が一気に下げようとするのと同じです。すぐに下がるということは当然、長続きもしません。
②アクションモチベーション
文字通り、「行動」することによって生まれるやる気です。「動くからやる気が出る」というのは、科学的には正しいのですが、「その動くやる気が起きないんだよ」と言いたい方も多いはず。無理に行動を起こし、「アクションモチベーション」を使って「やる気が出ない」状態から抜け出すのは、よほど強靭な意志の持ち主ではなければ至難の業。
③ギャップモチベーション
結論から言うと、私たちが「最も簡単に」やる気になることができて、かつ長続きするのが、3番目のやる気である、「ギャップモチベーション」です。これは「理想」と「現実」を埋めようとする心の働きがもたらす、パワフルな「やる気」の源です。
しかしながら、コロナ禍の影響で、本来最も強力なモチベーションである「ギャップモチベーション」を多くの人が感じられなくなっている──このことが大きな問題を起こしているのです。
人間はギャップを埋めたくなる生き物
「ギャップモチベーション」とは、理想と現実の差(報酬予測誤差)を埋めようとする脳の働きに起因しています。
「ギャップモチベーション」のわかりやすい例を挙げましょう。
たとえば、電車に乗り遅れそうになった状況を想像してみてください。改札を通って、ホームに向かっていたら、絶対に乗らないといけない電車が出発しようとしている。このとき、あなたはおそらく、「ヤバイ、遅れる!」と駆け出しますよね。
ここで、あなたに質問です。あなたは「やる気を出して」急いだのでしょうか?
そんなことはありませんよね。「やる気を出そう」と「走り始めた」のではなく、「急がないと!」と、勝手にやる気が出て、気がつくと「走る」という「行動」をしていたはずです。これが、あなたの中で勝手に生まれてしまう、“第3のやる気”ともいわれる「ギャップモチベーション」のメカニズムです。
もともとのやる気のある/なしは関係ありません。極論を言えば、やる気がなくても、理想と現実のギャップを埋めるために動けてしまうのが、私たち人間という生き物なのです。