新築マンションも中古マンションも高い。損しない物件を見つけるにはどうすればいいのか。スタイルアクト代表の沖有人さんは「最近の新築価格は高過ぎる。購入の際には2つの視点を持つべきだ」という——。
判断を誤ると、売るに売れなくなってしまう
現在、マンションは新築・中古とも売れている。そして、価格は需給バランスを反映して強気で、端的に言ってかなり高い。こんな時にローンを組んで2~3割高い価格で購入したら、それこそ売るに売れなくなってしまう。今は売れなくなるマンションを買ってしまうか、逃れられるかの“ババ抜きゲーム”の真っ最中だが、ゲームは早々に終わりそうだ。そんな折に、賢明な判断をするためには現状の正確な理解と今後の見通しが必要で、そこを論理的に説明しておこう。
今の新築物件価格は「適正価格」より高すぎる
新築物件価格は1~3割ほど高い。どうして高いと言えるかと言うと、適正価格が分かるからだ。新築物件は竣工して1年すると、中古扱いになり、中古取引市場で取引される。新築の際は、売り主のデベロッパーから直接購入することになり、比較対象になる物件は少ないので、その物件が高いのかどうかが分かりにくい。
しかし、1年後中古になったら、周辺の多くの中古物件と比較されて取引される。マンションの価格は立地でほぼ決まる。周辺の成約した事例はたくさんある。築年の違いを補正すれば、すべての中古物件は比較対象になる。こうして、築1年の中古としてはいくらで取引されるかを想定することができる。築1年と新築の乖離幅は決まっているので、これを補正すると売り出されている新築マンションの適正価格が分かる。それを「沖式新築時価」と呼んで、住まいサーフィンで全新築物件を査定している。
しかし最近、この沖式新築時価に対して実際に売り出されている新築価格は1~3割高い。相場が上昇している時なので、1割は許容範囲だとしても、2~3割は高過ぎる。この高過ぎる分は購入した人の含み損となる。これがババ抜きに負けた罰である。