休日に家探しをする人の急増で起きた「コロナ特需」

こんな高い価格になっているのは、新型コロナによるところが大きい。月に休日は約10日あるが、レジャーや旅行やイベント等に行くことができない中で、家にいる時間は長くなり、家への不満は溜まる一方となった。「リモートワークができる部屋が欲しい」「郊外に行ってでも、もう1部屋多い家に住みたい」というニーズが湧いてくる。そこで、持て余していた休日を家探しにあてる人が急増した。これを「コロナ特需」と呼んでいる。

モデルルームや実際の物件の内覧は、予約すれば家族全員で、安全に無料で楽しむことができる。こうして、売れ行きは好調になり、在庫は減少に向かい、売り手は強気になり、買い手は不利になった。在庫の急減が単価の高騰に拍車をかけたのだった。不動産業界はコロナのダメージが少ないどころか、特需に沸いている業界の1つなのである。

不動産について話し合う人たち
写真=iStock.com/staticnak1983
※写真はイメージです

2025年までは新築価格が上昇する見込み

中古は価格調整の余地はあるが、新築にはない。なぜなら、原価がすでに高いからだ。マンションの原価は土地と建築費である。土地仕入れは高値を追う展開が続いている。安倍政権以降、金融緩和が異次元で行われている。お金を多めに刷れば、モノの価格が上がってインフレするという期待で行っているが、これが終了しそうにない。インフレ目標に届かないので政策継続なのだが、この多めに刷られたお金は担保が取れる融資に向かう。その際たるものが不動産業への貸し出しになる。

そこで、潤沢な資金を得たデベロッパーは用地を高値で購入する。都心・駅近で広い土地は稀少性がある。競争入札が行われ、最も高い価格をつけた会社が購入するだけだ。常に仕入れた用地の価格は最高値を更新している。建築費も高い。震災復興、公共事業の復活、東京オリンピックなどが重なり、ゼネコンの営業利益は過去最高を続けている。

土地仕入れから約2年して販売が始まるので、2年後の新築価格は今よりも高いことは既に確定している。この金融緩和は少なくとも黒田日銀総裁の任期である2023年までは続きそうな様相である。つまり、2025年まで新築価格は上昇することがすでに決まっていると思った方がいい。新築は購入時期を遅らせていいことなど何もない状況にある。