エアロバイク、体幹用グッズ、ノルウェー製エクササイズ…

施設内に入ると、まず目に飛び込んできたのは多くのトレーニングマシン。バーベルを使うようなハードな筋トレマシンこそありませんが、エアロバイクやウオーキングマシンなどが並んでいて、利用者がトレーニングに汗を流しています。奥のスペースは天井から赤いロープがぶら下がっていて、それを両手に通した15人ほどの利用者が、インストラクターの指導に従ってエクササイズを行っています。

また、人工芝が敷かれたスペースでは、体幹トレーニング用に開発した水を入れたおもりを抱えてウオーキングをしている人がいました。まさにトレーニングジムです。

ノルウェーで開発されたトレーニング機器「レッドコード」
撮影=相沢光一
ノルウェーで開発されたトレーニング機器「レッドコード」

「ご覧のように、ウチは普通のデイサービスとは方向性が異なります。朝から夕方まで滞在されるコースもありますが、コンセプトは、機能訓練による改善を主眼においたプログラムです。大半の方は午前と午後、2部制の3時間ほどの機能訓練コースを利用されています」(前田さん)

天井から下がる赤いロープを支えにしたエクササイズは初めて見るものだったので、前田さんに聞いたところ、これはリハビリ先進国ノルウェーで開発されたトレーニング機器だという。

「『レッドコード』という名称です。さまざまな使用法があり、高齢者では、上から吊り下げられたコードの先端の輪に手首を通して握る。体を両手で支える状態にセットします。その結果、筋力の衰えなどで体のバランスが取りづらい方でも、このレッドコードを使えば安心してエクササイズができるわけです」

「エクササイズの種類はその方の状態に応じて、さまざまです。立つことが難しい方は椅子に座った状態で足を上げたり降ろしたり、コードを握った両手を支えにして、体を前や横に倒したり。立てる方はこれを立位で行います」

「時間は20分から30分。このエクササイズを行うことで、血流は良くなり、硬くなった関節の可動域は広がり、筋力も少しずつですが回復していきます。そして何より、楽しく体を動かしていただけます。運動は大切とわかっていてもご自宅では、継続できないかたが多いので楽しくやる必要があるんです」

アクティには利用者の体の状態や要介護度に合わせたリハビリ機器がそろっており、段階的に機能回復ができるようになっています。自立が難しい方はレッドコードの座位から始め、それをクリアしたら立位に、立位が問題なくできるようになったら両脇で上体を支えたウオーキングマシンや人工芝のフロアで両手に持ったストックを支えに足を前や横に出したりするバランスエクササイズを行ったりします。