ヒトはウイルスの中で生まれ生き延びてきた

こういった動物からヒトへ感染するウイルスは、時折パンデミックを起こして私たちに被害をもたらします。でも、それが未来の私たちを守る力にもなります。被害がないなら自然感染してしまえば良いので、子供たちへのワクチン接種は慎重にあるべきだと主張してきた理由もそこにあります。クラスター追跡も不要です。

特に今回の遺伝子ワクチンは、ウイルスが持つ数々のタンパク質のうちスパイクタンパク質にしか免疫を作りません。作り出されたタンパク質も自然界に存在するウイルス表面に整列する立体構造をしていません。

人間は、自分の生きている時間で物事を考えがちです。数十億年前の太古の昔から存在したウイルスの中に、ずっと遅れてヒトが登場してきました。ウイルスの中で生き残るために、私たちがまだ理解していないメカニズムを獲得して人類は生き延びてきたと考えるべきでしょう。理解できていないことがたくさんあるはずです。

私たち日本人には、このような地政学的なアドバンテージに加え新たに幾度も新型コロナの波を乗り越えた免疫力があります。これからは、発生してくる重症者に対応していくだけで良いことがわかります。重症者に警戒しつつ、このまま人々の交流を保って経済活動を行っていけばよいわけです。

コロナ以外のカゼウイルスもたくさんあります。胃腸炎も流行り始めました。肺炎球菌や誤嚥性肺炎もあります。

バランスのいい食事を心がけ適切な運動をしてリスクを減らし、免疫力を高めましょう。清潔な衣食住に心を配って暮らしていきましょう。生活習慣によって免疫力を高めることができます。

私たちは新しいスタートに立ったばかりです。元気よくすごしていきましょう。

参考文献
1.Japan's Plummeting COVID-19 Cases Create Mysterious Success Story
2.19年夏にPCR機器を中国が大量発注 米英豪チームが解析 コロナ12月発生説を疑問視 日経新聞 2021年10月5日
3.WHO Coronavirus (COVID-19) Dashboard
4.季節性コロナウイルス感染症は冬に流行する 山形衛生研究所 
5.新型コロナの変異株、実はそれほど「凶暴化しない」といえる、意外すぎるワケ
ウイルス学研究者が教える
 本間 真二郎 現代ビジネス 2021年10月15日 
6.第5波収束は「デルタ株のゲノム変異蓄積」 修復追いつかず死滅か 毎日新聞 10月30日
7.Lessons of Past Coronavirus Pandemics. Population and Development Review, Volume46, Issue3 September 2020 Pages 633-637
8.現役医師が断言「緩い日本のコロナ対策はむしろ多くの命を救った」 日本のやり方こそが最適解だった
9.現役医師「ゼロコロナは永遠にやってこない。だからオリンピックを楽しもう」 コロナと共存する時代がやってくる
10.「冬に第6波が来ても、緊急事態宣言は必要ない」現役医師が空気を読まずそう断言する理由 陽性者急減の理由もわかっていない