よくよく考えたら、人間は100メートルを10秒を切って走る必要性はないし、氷上を特殊な靴でクルクル回る必要なんかありません。
エベレストに無酸素で登ったり、南極圏を犬ぞりで探検したりする必要もない。
でも、その姿を目の当たりにすると、僕らは心の底から感動します。
他人から見たら無駄だと思えることでも突き詰めると、感動が生まれます。
もしかしたら、無駄なことにしか感動はないのかもしれません。いや、人を感動させられたら、もうそれは無駄ではないですよね。
他人が「なにそれ、無駄!」と思うくらい自らの特性を突き詰めることが、自分が自分自身の人生の主人公になる一つの道なのかも。
思う限りの無駄を突き詰めてみたいものです。
「自分らしさ」が分からないあなたへ
「人」と言えば済むのに、同じ意味で使われる「人間」という言葉があります。
この「間」という字を入れるのはなんでなのか。ずっと気になっていました。
最近辿り着いた僕なりの結論は、「人と人の間に存在して、どうあるかが人間の価値なんだ」ということ。
人と関わらなければ、いくらでも嘘はつけますから。「僕はチャーリー・パーカー並みにサックスが上手に吹ける。超絶イケメンで、身長は185センチだ」とだって言えるけれど、人と人の間で比べられたら、そんな嘘は通りません。
「自分らしい生き方ができたら」と誰もが望みますが、この「自分らしさ」を見つけるのが、本当に難しいもの。
結局、自分の個性や特性は、他人との違いや比較でしかないからなんでしょうね。
「自分らしさ」の答えが見つからずに悩んでいる人がいるなら、引きこもって孤独に考え込むより、思い切って外に出て、いろいろな人と交わっていくことをおすすめします。
「人を知ることで見えてくる自分」って、実際いるものですよ。
誰もが無観客の中で生きている
コロナ禍で、音楽でもスポーツでも、無観客での開催が増えました。
無観客だと、ミュージシャンもスポーツ選手も、張り合いがないのはわかりきったこと。
僕なんかのサックスでも、ライブで応援してくれる人がいると自然にパワーが出るものです。
でも、そもそも人生なんてほとんどは無観客なんですよね。
努力の過程を誰にも見られてないし、応援されることも褒められることもなかなかないものでは?
コロナ禍になって気づいて恥ずかしい限りです。
だから、僕なんかがこの新型コロナの現状を嘆いてはいけないなと。僕のような仕事をしている人間こそが今、みなさんを応援すべきだと。
ともに頑張りましょうね!