だが、週刊誌やテレビのワイドショーはこの警告を一顧だにせず、毎週のように心ない情報を垂れ流してきたのである。

大新聞は、自分たちは眞子さんや小室母子に対する誹謗中傷報道はしていない、悪いのは週刊誌だといいたいのだろうが、では、そうした行き過ぎた報道を批判したことがあったのか。

まさに四面楚歌。眞子さんはよく4年近くも耐えられたものだと思う。

これ以上悪化しないうちに結婚、旅立ちを急いだか

産経新聞(10月2日付)によれば、「ある幹部は、『眞子さまに精神的負荷がかかる状態が続き、天皇陛下も心配されており、皇室全体に緊張が漂う状態が続いているため、早く決める必要があった』」そうだ。

秋篠宮夫妻も、「眞子さまのお気持ちを尊重し、天皇、皇后両陛下にも理解を得られたという」(朝日新聞10月2日付)。上皇上皇后にも初孫の結婚が伝えられたという。

皇居(2011年12月31日)
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秋篠宮夫妻も了解して、これ以上眞子さんの症状が悪化しないうちに結婚、ニューヨークへの旅立ちを急いだ様子がうかがえるではないか。

今の眞子さんにとって、皇室から追放される形に見えようとも、「不幸になる権利」(週刊ポスト10月15・22日号の三浦瑠麗の発言)も含めた自由を手に入れることは、何物にも代えがたいことであろう。

10月26日、婚姻届を提出した後で行われる2人そろっての記者会見で、眞子さんは話したいことがあるようだ。報道への批判はしないとは思うが、週刊誌やワイドショーは戦々兢々であろう。

常軌を逸したとも思われる2人についての報道は、さまざまな禍根を残し、2人が旅立ったことでめでたしめでたしとはならない。

特にこの間に噴き出してきた秋篠宮家に対する批判は、これからも続くと思われる。

秋篠宮が皇嗣家になったこともあり、教育のあり方、悠仁さんへの帝王教育への疑問、紀子さんの従業員に対する厳しい接し方など、多岐にわたって週刊誌は繰り返し報じてきた。

それに加えて、SNSなどを通して皇室全体の批判へと広がっていったのは、秋篠宮家にはもちろんのこと、宮内庁にとっても想定外のことだったに違いない。

「次の天皇は秋篠宮家から即位させるべきではない」

多くはネトウヨまがいのものだが、古色蒼然そうぜんとした頑迷な保守派の学者からのものも多かった。

週刊新潮はそれらの声を毎週のように伝えていた。10月7日号では、

「秋篠宮家は今回、結果的に小室さんの“野望”を実現させたことで大いに評判を下げてしまった。現にネット上では、一連の騒動を報じる記者のコメント欄に、目を疑う書き込みが散見されるのだ。いわく、

〈次の天皇は秋篠宮家から即位させるべきではないと強く思います〉
〈秋篠宮家の皇族としての自覚のない教育が、ドミノ式に皇室を崩壊させて行くように思えます〉
〈秋篠宮家の皇籍離脱が妥当と思います〉」