マザーグースは英米文化の基礎教養

せっかくだったらマザーグースを知っておくといいなと思うのは、マザーグースの歌詞が日常の会話にことわざのように取り入れられたり、ミステリーなどの文学作品に登場したり、マザーグースの一節をもじったものがニュース記事の見出しになったりすることがあるからです。

英米文化と切っても切り離せない存在なので、断片的にでも知っておくのとまったく知らないのとでは、ゆくゆく教養の面で大きな差になります。詩人の谷川俊太郎さんがマザーグースの歌詞を和訳した(名訳です!)シリーズ(講談社文庫)がロングセラーになっていますので、英語の歌詞と比べたり、読み聞かせに使ったりしてもいいですね。

キャラクターが語りかけてくる番組がオススメ

テレビも有効活用できます。番組を選ぶときに、1つ覚えておいてほしいのが「双方向」というキーワードです。アメリカで行われた研究で、子どものボキャブラリーに最も好影響を与えたのは「双方向(インタラクティブ)の番組」、つまり画面からキャラクターが語りかけたり答えをうながしたりする番組でした。こういった番組によって、語彙力がアップし、社会性が増し、就学準備に役立つのだそうです。

ディズニーのもので例を挙げると、ディズニーチャンネルなどで視聴できる『ミッキーマウス クラブハウス』は、ミッキーが語りかけてくれる双方向の番組です。これという番組が思いつかないときは、「双方向」というキーワードを手掛かりに探してみてもよいでしょう。

言われてみれば、日本の子ども向け番組にもインタラクティブなものが多いです。2歳を過ぎて、画面から情報を取り込めるようになっても、子どもは、交流することによって言葉を学ぶのです。大人であっても、学習をする際には、講義を聞きっぱなしではなく、質問されたり、ディスカッションをする時間があったりするほうが、頭に入りますし、身につきますよね。

でも、そこにこだわりすぎずに、お子さんが楽しめるかどうかを基準に選んでくださいね。

テレビを見ている親子
写真=iStock.com/yamasan
※写真はイメージです

お子さんが気に入ってくり返し見たがるのが双方向の番組ではないときは、親の出番です。お子さんに、日本語でもよいので内容について質問したり、聞こえてくる単語をリピートしたりと、情報を一方的に受けるだけではないように工夫しましょう。双方向の番組であっても、子どもに長時間見せっぱなしにしておくのは、できれば避けましょう。「見守り」や「声かけ」を忘れないようにしたいものです。