階級序列は「長官、次長、官房長、警視総監」

だが、事実は警察庁長官がもちろん警察組織全体のトップだ。

警視総監は東京都の警察組織、警視庁のトップである。警視総監は警察組織全体では序列は2番目と書いてある資料もあるけれど、実際は違うと思う。

というのは警察庁のナンバー2は警察庁次長だ。ナンバー3は官房長。そして、官房長、次長を務めた人は長官に昇任するのが通例だ。また、次長と警視総監の入庁年次や年齢を見ると、次長の方が警視総監よりも年次が古い。つまり、先輩なのである。

ただし、ここにもまた例外がある。95代の三浦正充警視総監(2018~20年)は「24年ぶりに警察庁次長から就任」だった。そして、彼以外の歴代総監の前職を見ると、警備局長、官房長、刑事局長だった人もいる。つまり、警視総監は局長を務めてから就任するポストだ。

一方、警察庁長官は前述のように別格の局長とも言える官房長になり、そして次長を経てから就く。年齢にすると、2歳くらい、警察庁長官の方が年上になる。

わたしの見たところ、警察組織全体の階級序列は長官、次長、官房長、そして、警視総監となるのではないか。

長官の月収は117万5000円、総監は110万7000円

給料も長官は指定職(※)では最高の8号俸で、総監は7号俸。

長官は各省の事務次官と同じ額で、事務次官等連絡会議にも出席する。つまり、各省の事務次官と同格だ。一方、警視総監の給料は内閣府審議官、公正取引委員会事務総長、財務官、外務審議官など、各省の審議官、国税庁長官、海上保安庁長官と同じ俸給である。

指定職の年俸とはあくまで本俸で、これに地域手当がつくから本俸の1.2倍くらいにはなる。ただし、フェアな意見としては公務員幹部の給料は民間会社の社長に比べると、安い。

総理大臣でさえ年間4049万円だ。総理大臣の責任の重さ、年中無休の24時間営業を考慮すると、総理大臣の俸給は外資系企業エグゼクティブ、外資系金融マンの給料と比べると、不当とも言えるくらい安い。