このように、資産をいかにして減らさないか、いかに次世代に効率よく繋ぐかを考えている富裕層は、相関係数の低い資産に分散投資することで、資産の収益のブレを抑え、資産全体を安定的に増やしています。

興味のある「絵画」や「ワイン」「クラッシクカー」などに分散投資することで、趣味としての満足と、資産運用の収益変動リスクの抑制の両立を図っているわけです。

ノーベル賞受賞の投資理論を私たちも活用しよう

北村 慶『金融のプロが実はやっている 最もシンプルで賢い投資の結論』(朝日新聞出版)
北村 慶『金融のプロが実はやっている 最もシンプルで賢い投資の結論』(朝日新聞出版)

このようにMPT、モダン・ポートフォリオ・セオリーは、お金持ちがますます豊かになる仕組みの理論的支柱ですが、私たち普通の市民も、投資資産が分散された「バランス型」と呼ばれる投資信託を選び、長期・定額投資することで、MPTに基づく賢い運用を行うことができます。

具体的な商品選定方法やオススメの投資信託については、「インデックス投資ブロガー」と呼ばれる方々がそれぞれのブログで詳しく解説しておられますし、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year」という人気投票の結果も公開されていますので、参考にしてみてください。

政府も、つみたてNISAやiDeCoといった税制優遇制度により、資産形成を後押ししています。

私たちも、リスクを抑えた運用を富裕層に学び、明るい未来のための資産運用を行いたいものです。

当記事は「AERA dot.」からの転載記事です。AERA dot.は『AERA』『週刊朝日』に掲載された話題を、分かりやすくまとめた記事をメインコンテンツにしています。元記事はこちら
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