味噌、醤油、お酢、納豆、漬物…
金城氏は、「一日一食は伝統的な日本食をとる」ことを勧めている。伝統的な日本食には、味噌や醤油、お酢、納豆、漬物など多種多様な発酵食品が取り入れられているから、というのが、理由の一つだ。
また金城氏は2020年からCOVID‐19感染症対策などで沖縄県の政策参与を務めており、県民のデータを分析して健康施策の企画提案をしている。
「かつて『長寿県』として知られていた沖縄が、『長寿』から転落してしまいました。その要因は、都市化が進んで歩かなくなったなど、いろいろありますが、一番の要因は、やはり食生活の変化です。かつて沖縄の人たちは伝統的な食事――豆腐や豚肉、昆布、野菜、発酵食品(豚味噌や豆腐ようなど)を多用した沖縄食――を食べていました。
それが、いまでは米国由来の食べ物が増え、沖縄食はすっかり減ってしまいました」(金城氏)
このような現象は、沖縄に限らず、日本全体がそうなってきていると、金城氏は指摘する。
とは言うものの、「どんな食べ物に、どんな栄養素が含まれているのかを考えながら食べるって、その道のプロでもなかなか続きません。続かなければ改善することもありません。それでは元も子もありません。そこで私は、無理なく頑張らなくても続けられる目標を考えました。それが『一日一食は伝統的な日本食を食べよう』なのです」(金城氏)
「これだけそろっていればもう満点」
肝心の、「伝統的な日本食」とはどのような食事なのか。金城氏によれば、下記5品目をそろえるとよいそうだ。
①ご飯
②具沢山のお味噌汁(具は、豆腐などの大豆製品、ワカメなどの海藻類、キャベツなどの葉物野菜や人参などの根菜、キノコ類など)
③納豆
④ぬか漬けなどの漬物
⑤海苔
「これだけそろっていればもう満点です。余裕があれば焼き魚や卵焼きもプラスして。
これを基本形にして、あとはその日その日の体調や自分の好みによってアレンジしてください。最近は、コンビニのお弁当でも日本食のラインナップが増えてきました。そういったものを上手に活用するのもOKです」(金城氏)
また、金城氏によれば、「一日一食は伝統的な日本食をとる」ことで、人の身体に備わっている免疫の一翼を担うNK細胞やマクロファージなど、「細胞たちを元気にする栄養素のほとんどをとることができる」という。