もちろん、なんでも欧米流にしようということではありません。僕が言いたいのは、このような時間の概念を持てるかどうかがとても重要だということです。

「時間を借りる」という感覚があれば、目的のない会議に人を集めようなんて思うはずがありません。ましてや、自分が気持ち良く話すためだけに会議を招集するなど愚の骨頂ではありませんか。

コミュニケーションの重要性は今までと変わらない

かつて電話やファクスや手紙でやっていたことが、テクノロジーの進歩とともにメールやSNSやチャットに変わってきたわけですが、別に前者がなくなったわけではありません。その有用性によって「位置づけ」が変わっただけです。

澤円『「疑う」からはじめる。これからの時代を生き抜く思考・行動の源泉』(アスコム)
澤円『「疑う」からはじめる。これからの時代を生き抜く思考・行動の源泉』(アスコム)

新型コロナウイルスの感染拡大以降、いきなりオンライン会議が導入されたりして、とまどっている人も多いでしょう。会議も同じです。人と直接会ったり対面の場面を設定したりする前提が、新型コロナウイルスによって強烈に否定されたものの、対面のコミュニケーションの重要性が失われたわけではありません。

そこで僕からの提案です。これからは意識的に「時間がもっとも大切なもの」と思って人とコミュニケーションしてみてください。みんなが未来のことに時間を使うためには、どうすればいいのかを考え続けてください。

急激に変化していく時代です。自分の働く価値を再定義するために、未来のことにどれだけの時間が割けるのかを突き詰めること。「生産性の高い時間の使い方」とはなにか、働く者一人ひとりが自分自身に問いかける必要があります。

会議ひとつとっても、やり方をアップデートすればこんなに楽しくなります。まずは、あたりまえだと思って漠然とやり過ごしてきたルールや習慣をいちど疑ってみるところからスタートしてみてください。

長年なじんできたルールや習慣を変えるのは難しいと感じるかもしれません。本書には、いままで見えなかった問題の見つけ方と解決策、生産性をあげるマインドのあり方、ビジネスでのモチベーションを保つためのアイデアなどをたっぷり紹介しています。みなさんの価値観のアップデートをたすけるヒントになれば幸いです。

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