対面でやるべきは、報連相の「相」の部分

あなたの会社の会議では、こんなことが起きていませんか?

・議題のなかに、事務的な「報告」や「連絡」が入っている
・「報告」のためのレポート作成に膨大な作業が発生している
・目上の人に「報告」や「連絡」をするのは、もっぱら会議の場だ

ビジネスパーソンにとって、おなじみの言葉「報連相ほうれんそう」。報連相のなかで、未来に関係するのは「相談」だけです。「報告」と「連絡」は、すでに起きたことについての話ですから、つまり、過去のことがらです。

会議とは、みんなが同じ時間、同じ場所に集まって話をすること。各人がそれぞれの仕事を中断し、会議室まで移動して、対面で話しているのが、過去の話(報告、連絡)だとしたら、はっきりいって時間の無駄です。

会議で話し合うべきは未来の話の「相談」

前述したデキるビジネスパーソンのマインドセットを思い出してください。

「過去のことに時間を使わないためには、どうすればいいだろう?」
「未来を良くするためには、どうすればいいだろう?」

生産性の高い会議のあり方が、なんとなく見えてくるはずです。

まず、「報告」や「連絡」はITツールを用いて自動化したり、効率化したりしましょう。データなどの「見ればわかる」ものを、わざわざ会議の時間を使って報告したり(させたり)するのは、時間の浪費以外のなにものでもありません。データはリアルタイムで共有しておけばよいし、連絡はチャットで十分です。

会議でやるべきは未来の話、つまり「相談」です。未来を最大限に良くするために、これからどうするか、次の一手は何をすべきかを話し合うのは、楽しい。楽しい仕事なら、参加している全員が高いモチベーションで臨めるはずです。

会議中の様子
写真=iStock.com/recep-bg
※写真はイメージです

会社の生産性をあげたいのであれば、会議はゆううつで面倒で退屈であってはいけない。「未来志向」の会議とは本来、楽しいものなのですから。

日本企業に決定的に欠けている「時間は借り物」という概念

たとえば会議のとき、「僕にはこんなアイデアがあるのだけど、みんなの意見を聞かせてほしいんだ」と伝えれば、集まるみんなの目的がクリアになって、「ところでなんのためにここにいるんだっけ?」とはならないはずですよね。

でも実際は、「よくわからないけど、とりあえず集まった」というようなシチュエーションが多くありませんか。そうなると、結局はいちばん偉い人が気持ち良く話すだけの時間になってしまいます。

時間を自分の都合だけで浪費させるのは、それこそ時間泥棒です。時間は有限で、もっとも貴重な資源だからです。

外資系の企業と比べて、日本企業に欠けているのは「時間は借り物」という概念かもしれません。欧米の企業では、1時間の予定のミーティングが45分で終わったとすると、《15 minutes back to you.》と言って会議を解散します。

つまり、「1時間借りていたけど45分で終わったから、15分返すね」ということです。この「返す」という表現が、時間に対する考え方を端的に示していると思います。