アウトドア用品のスノーピークが、東京都昭島市の店舗に開いた「焚火ラウンジ」が人気を集めている。料金は2時間5500円で、週末の予約はお盆期間までほぼ埋まっている。なぜいま焚火なのか。経済ジャーナリストの高井尚之さんが取材した――。
「スノーピーク-昭島アウトドアヴィレッジ」で行われた焚火の様子
写真提供=スノーピーク
「スノーピーク-昭島アウトドアヴィレッジ」で行われた焚火の様子

焚火の奥深さにハマる人が続出

7月1日、東京都昭島市にある「スノーピーク 昭島アウトドアヴィレッジ」(直営店舗)の屋外スペースに、ひとつの施設がオープンした。

「スノーピーク焚火ラウンジ」(Snow Peak TAKIBI LOUNGE)は、2時間5500円(1組4人まで)で、気軽に焚火が楽しめるものだ。アウトドア総合メーカーの株式会社スノーピーク(本社・新潟県三条市)が運営する。

小学校や中学校の野外活動で「キャンプファイヤー」を経験した人は多いだろう。しかし、最近、アウトドア派の間で人気が高まっている「焚火」は、それとはちょっと違うようだ。

キャンプをしない人たちこそ体験してほしい

「もともと焚火は、スノーピークにとって大切な存在です。自社で開発した焚火台や耐熱性に優れたアパレルなどのアウトドア商品もご好評いただいており、全国各地で開催するキャンプイベントでは『焚火トーク』を必ず行います。先日も東北地方で実施しましたが、180組・300人の方にご参加いただきました」

スノーピークの永松悠佑氏(営業本部 新業態開発課 マネージャー)はこう説明する。2015年3月に開業した同店の初代店長も務めた永松氏は生まれも育ちも東京都下で、子どもの頃は学校の授業で田植えを行うような環境で育ったという。

なぜ今回、スノーピークは焚火ラウンジをつくったのか。

「アウトドアに興味がある人に、まずは体験してほしいと思ったのです。そこで都心から1時間で来られる直営店に併設しました。当社の事業活動とキャンプは切り離せないものですが、キャンプ人口は人口全体の約7%。それ以外の93%に訴求したいのです」

今回の「焚火ラウンジ」の場所は思ったよりも近い。JR新宿駅からJR昭島駅までは電車で約40~45分。昭島駅から昭島アウトドアヴィレッジは徒歩5分程度で行ける。クルマで移動する場合も混んでなければ早い。必要な用具はすべて揃っているので、手ぶらで来られるのも特徴の一つだ。オープンから人気を博し、現在週末の予約はお盆期間までほぼ埋まっている。