6年生は夏休みから入試を意識した学習に変わる
6年生は1学期までは、新しい単元を学ぶインプット型の学習だが、夏休みから演習を中心としたアウトプット型の学習に変わる。ここから、入試を意識していく狙いがあるのだ。授業では、実際に入試に出た問題や類題を解く。まだ入試問題を解き慣れていない受験生には、難しく感じるだろう。塾側が難しい問題を出すのは、「入試を甘く見るなよ」と受験生に危機感を与えるためだ。授業では「この3問を15分で解いてみよう」と演習から始まる。
だが、時間内に全問正解できる子はまずいない。難しい問題を前に頭を抱えているだけの子もいる。でも、まずは1問でもいいから「絶対に正解するぞ」という気持ちで挑んでほしい。ここで問題に集中し、自力で解く訓練をする。そうやって、本番を意識して取り組むことが大事だ。
夏の成果を左右するのは「親の懐の大きさ」
コロナのあるなしにかかわらず、中学受験生の夏は、毎年ハードになっている。これだけの量と、これだけの難度の高い問題に挑むには、子供の心の安定が欠かせない。リモートワークになったことで、子供の勉強に深く関わろうと思っている親は少なくないが、その関わりには十分に気をつけてほしい。
子供の成績を伸ばしたければ、親は子供が気持ちよく勉強できる環境を考えることが大切だ。眠いのを我慢させて、夜遅くまで勉強をさせるのではなく、「この子が気分良く勉強できるのは、何時頃だろう?」とわが子をよく観察し、勉強に集中できるベストな時間帯を探ってみてほしい。また、勉強に集中できないようなら、場所を変えてみたり、負担の少ない教科に変えてみたりするなどの工夫も必要だ。
また、受験生なのだから「塾に行くのは当たり前」「出された宿題はやるのが当たり前」と思わないでほしい。本来であれば、小学生の子供の生活は遊びが中心だ。遊びたいのを我慢して、高い目標に向かって取り組んでいる。それだけでもすごいことなのだ。だから、少しでも頑張っていたら、大いに褒めてあげよう。そうやって、子供のいいところをたくさん見つけ、褒める。そうすれば、親のリモートワークは子供の受験にとってプラスになるだろう。