自己紹介の挨拶をしたのに、相手の名前を忘れてしまった。そんなときどう振る舞えばスマートなのか。電通のコピーライター・PRアーキテクトの中川諒さんは「うやむやにせず、恥ずかしくても、相手に直接聞くといい。どうしても聞けない時は、とっておきの質問がある」という——。

※本稿は、中川諒『いくつになっても恥をかける人になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を再編集したものです。

疑問符に立つ双眼鏡を持つビジネスマン
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名前を忘れたらあえて相手に直接聞く

最初に自己紹介したものの、相手の名前を忘れてしまい聞き直すタイミングを逸したまま、うやむやに話を終わらせる人。相手に気づかれないうちに思い出そうと、もらったはずの名刺を探したり、過去のメールをこっそり検索する人もいるだろう。

相手の名前を分からないままにしておくことは失礼なだけでなく、自分の仕事の効率も下げてしまう。それは「相手の名前が分からない」という負い目が、思い切った提案や踏み込んだ質問をする勇気をあなたから奪うからだ。

中川諒『いくつになっても恥をかける人になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
中川諒『いくつになっても恥をかける人になる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

忘れてしまったら、恥ずかしくても「ごめんなさい。もう一度お名前を伺ってもいいですか」と直接相手の名前をもう一度確認しよう。相手もそんなあなたを失礼だと怒ったりはしない。むしろ「この人はきちんと私の名前を覚えようとしている」とポジティブに見えるはずだ。

もう何度もお会いしていて、直接名前を確認するのが気まずいときはどうするか。そんなときは「そういえば、お名前ってどんな漢字を書くんですか?」と相手の名前の漢字を聞けばいい。

相手の名前を意識することは、人を尊重するうえでの第一歩。その日しか会わないような相手であっても、名前を確認してから仕事に入る習慣をつけよう。目の前にいる人は「スタッフさん」でも「社員さん」でもなく、名前を持つ個人なのだ。